研究分担者 |
横田 裕哉 昭和大学, 医学部, 講師 (00465105)
正司 真 昭和大学, 医学部, 講師 (50384392)
礒 良崇 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (60384244)
角田 史敬 昭和大学, 医学部, 講師 (60384393) [辞退]
新家 俊郎 昭和大学, 医学部, 教授 (60379419)
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研究実績の概要 |
HDLの抗酸化酵素であるparaoxonase-1 (PON1)活性やHDL代謝に影響するTriglyceride lipase familyに対する心臓リハビリテーション(心リハ)の影響を評価した。急性冠症候群(ACS)140例を対象に PON1活性に対する心リハの効果を後ろ向きに検討した。PON1活性としてparaoxonase とarylesterase活性を測定した。12週間以上心リハ外来に通院した心リハ群(101例)と心リハに参加しなかったまたは12週間未満で脱落した例を非心リハ群(39例)として分類した。Paraoxonaseとarylesterase活性は非心リハ群、心リハ群ともに有意に増加した(各々非心リハ群 728.2 [507.9, 899.8]→772.4 [609.8, 1012.5]、心リハ群 664.9 [501.0. 925.8] →691.1 [526.7, 971.8]、非心リハ群 111.3 [94.7, 134.4]→121.2 [105.7, 139.9]、心リハ群 115.2 [102.1. 139.4] →125.0 [103.9, 145.5]。 Triglyceride lipase gene superfamilyであるlipoprotein lipase (LPL)、hepatic triglyceride lipase (HL)、endothelial lipase (EL)をACS 167例を対象に後ろ向きに評価した。心リハ群で LPLは有意に増加し(44.2 [35.2, 61.6]→49.3 [40.4, 62.0] ng/mL)、HLは有意に低下した(48.5 [37.3, 63.6]→46.3 [34.8, 57.1] ng/mL)。非心リハ群ではLPLとHLは変わらなかった。ELは両群ともに有意に低下した(各々103.9 [81.3, 135.0] →93.8 [78.3, 115.5]、107.7 [81.7, 148.5] →94.7 [74.4, 125.4])。心肺運動負荷試験で評価した最高酸素摂取量の変化率とLPLの変化率には有意な正相関(Rho = 0.252, p=0.007)、嫌気性代謝閾値の酸素摂取量の変化率とHLの変化率には有意な負相関(Rho=-0.235, p=0.013)を認めた。心リハはLPLとHLに対して運動耐容能の増加を介して有益な効果を示した。一方ELの低下に心リハは起因しなかった。
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