骨格筋のミトコンドリアの増加を引き起こすメカニズムについて明らかにするため,筋の収縮活動という局所因子と交感神経活動の亢進といった体液性因子の2つの影響について検討した.まずラットにノルエピネフリンを注射し,交感神経活動とミトコンドリア関連タンパク質を測定した.その結果,骨格筋では交感神経活動の亢進は,ミトコンドリアの増加への影響がないか極めて弱いことが分かった. 次に運動によるミトコンドリアの増加に対して,プロプラノロールはその増加を抑制しないことも明らかとなった.これら結果から骨格筋のミトコンドリアの増加には骨格筋の収縮活動が重要であり,体液性因子の関与は少ないものと考えられる.
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