研究課題/領域番号 |
19K11439
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
横山 慶子 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (30722102)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 協調技能 / 熟達差 |
研究実績の概要 |
本研究課題では,他者に注意が向けられない初心者と,他者の意図を読み取り自己を調整できる熟練者の違いは何か,初心者がどのように協調技能を習得していくのかといった疑問に迫るために,全身の協調運動における協調技能の熟達差を明らかにすること,初心者が協調技能を学習していく過程の動的変化の仕組みを明らかにすることを目的とした. 当該年度の当初の目的は,光学式の動作計測装置により,3次元のヒトの動きを計測できる実験環境を設定すること,協調技能を評価できる変数を探索することであった.当初の予定通り,3次元動作計測のための機器を購入し,計測環境の設定に取り組んだ.さらに,仮想現実(VR)の装置を導入し,この装置を3次元動作計測装置に接続する作業を進めた.なお,このVR装置は,本研究課題の実施計画の当初の目的には含めていなかったが,本研究課題を基課題とする国際共同研究加速基金の採択に伴い,本研究の発展的な促進に仮想現実(VR)が必要と判断し,導入した.こうした実験設定に想定外の時間を要しており,当初に予定にあった「時空間の制限がある中で,出来る限り素早く正確に他者と打動作を交互遂行すること」が要求される課題の実験実施や,協調技能を評価する変数の探索には至っておらず,次年度以降に早急に進める必要がある.一方で,研究代表者がこれまでの研究で実施した協調技能の学習に関連する研究データに関する論文の執筆に取り組み,本研究課題の協調技能の熟達差に関する考察を深めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験環境の設定に想定した以上の時間を要し,当初に予定していた実験課題の実施には至らなかったため.
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の今後の推進方策としては,まず,VR装置と3次元計測装置を用いた実験環境の構築を早急に進めたうえで,実験課題を実施する.ただし,実験課題の内容については,新しい実験装置の導入に伴い,当初の研究計画から変更する可能性があり,十分に検討を重ねる予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
実験機材の購入に想定したほどの支出がなかったこと,実験課題を実施していないため,参加者の謝金に関わる支出がなかったことにより,次年度使用額が生じた.次年度は,状況に応じてこれらの経費を支出する.
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