研究課題/領域番号 |
19K11456
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
二宮 浩彰 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (50284782)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | クチコミ / eクチコミ / マラソン / オンラインマラソン / マラソン経験 / クチコミ送り手 / 参加意図 |
研究実績の概要 |
本調査研究では、「おんらいん京都マラソン2021」に参加したランナーを対象としてウェブ調査を実施し、1093票の有効標本を得た。データの分析は、独立変数をフルマラソン参加経験とし、従属変数をクチコミの送り手、およびマラソン大会への参加意図とした。 オンラインマラソンの経験についてのクチコミの送り手は、「家族や友人との会話」(68.5%)がもっとも多くなった。フルマラソン未経験者は81.2%でもっとも高く、フルマラソンの参加頻度が低いほど高い割合になる傾向がみられた。つぎに、「ランニング仲間や関係者との会話」(43.0%)が多くなっており、高頻度者(50.1%)がもっとも高い割合になった。「SNS(Facebook、Twitter、LINE、Instagram、YouTube、など)の個人による投稿」を行ったのは34.9%であり、未経験者(49.0%)がもっとも高く、参加頻度が低いほど高い割合になる傾向がみられた。いっぽうで、「全く体験を伝えようとは思わない」(5.9%)と回答した参加者はかなり低い割合となったが、高頻度者(7.6%)はほかの参加者と比べてやや高い割合になった。 次大会が通常の「京都マラソン2022」大会になった場合の参加意図については、中頻度者(94.27%)・高頻度者(94.05%)が高い割合となっており、つづいて低頻度者(85.95%)が高くなっているが、未経験者(64.97%)は低い割合になっている。 次大会がオンライン方式の「京都マラソン2022」大会になった場合の参加意図については、未経験者(87.30%)がもっとも高い割合となっており、再度、オンラインマラソンに参加しようという思いがあるようである。高頻度者(76.51%)がもっとも低い割合となっており、中頻度者(81.54%)はやや高い割合となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響により、調査研究の対象であった京都マラソンが、通常の開催ができなくなりオンラインマラソンでの開催となった。そのため、調査対象をフルマラソン参加者からオンラインマラソン参加者へ変更した。調査対象がスポーツイベントに参加するランナーに変わりはないが、実際のマラソン体験は異なるものであり、調査内容を変更して研究を進めている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では、送り手であるスポーツ経験者によるクチコミ/eクチコミによる情報が、受け手であるスポーツ観戦者のプロスポーツの観戦の意思決定に及ぼす影響を分析することである。「みるスポーツ」のケーススタディとしては、プロバスケットボールリーグへの観戦の意思決定を取り上げ、京都ハンナリーズの観戦者を調査対象としてシーズン中にウェブ調査を実施し、約500の有効標本を収集する見込みである。しかしながら、新型コロナウイルスの影響で、プロスポーツの興行が危ぶまれており、調査方法を再検討しなければならないかもしれない。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で、今年度に予定していた海外学会の出張をキャンセルしたため、次年度使用額が生じた。 次年度の学会出張に使用する計画である。
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