研究課題/領域番号 |
19K11463
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小林 雄志 東京大学, 大学総合教育研究センター, 助教 (50549491)
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研究分担者 |
有光 琢磨 八戸学院大学, 健康医療学部, 講師 (00616021)
小笠原 理紀 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10634602)
江間 諒一 静岡産業大学, 経営学部(磐田), 准教授 (10768196)
後藤田 中 香川大学, 創造工学部, 准教授 (40633095)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 瞬発的筋力 / RFD / レジスタンストレーニング / エネルギー代謝 |
研究実績の概要 |
瞬発的筋力は運動パフォーマンスや高齢者の転倒予防に関連する極めて重要な体力要素であり、瞬発的筋力発揮を行うトレーニング(瞬発的筋力トレーニング)によって改善が可能であるが、短期のトレーニング中断によってその能力は低下することを研究代表者は報告した(Kobayashi et al., 2013)。この適応機序に関して、神経系の適応に加えて筋の無酸素性エネルギー代謝による影響も示唆されるが、その詳細は不明であった。そこで本研究では、瞬発的筋力トレーニングに関して、エネルギー代謝の適応機序を明らかにしていくことを目的とした。2019年度においては、当該トレーニング実施時の一過性の応答を評価した。2020年度および2021年度においては、健常な成人男性数名を被検者として、瞬発的筋力トレーニングの試行実験を行った。トレーニング内容は、運動形態として膝伸展運動を用い、1秒以内の全力での瞬発的筋力発揮を5秒ごとに10回行う運動を、1分の休憩を挟んで3セット行うものとした。トレーニング期間・回数は、8週間・週2回とした。トレーニングを実施した結果、膝伸展筋力発揮時の力の立ち上がり率の向上が認められた。また、トレーニング期間終了後、2週間および4週間の脱トレーニング期間を設けたのちに、同様の筋力測定を行ったところ、4週間後における力の立ち上がり率についてはトレーニング実施前と同様のレベルまで低下することが認められる等、本実験に用いるトレーニングとしておおよそ適当であることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度に現在の所属機関に移り、研究環境が大きく変わり、また、新型コロナウイルス感染拡大により、ヒトを対象とする実験の実施に大きな制限が加わったため、トレーニング・筋力測定等の実験があまりできていない状況である。このため、予定していたよりもデータ数がやや不足しており、分析に耐えうるデータ数の確保が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染拡大の状況が改善に向かっているため、これまで実施できなかったトレーニング・筋力測定等の実験を順次実施し、不足しているデータ数を補っていく。また、これらのデータを分析し、研究成果を公表していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
所属機関を移ったことで研究環境の整備に時間がかかり、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって、実験実施が予定よりも遅れ、そのための費用支出が行われず、残額が生じた。次年度は研究環境も整い、感染拡大も改善傾向にあるため、順次、実験を実施して予算を執行していく計画である。
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