研究課題/領域番号 |
19K11472
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
竹市 勝 国士舘大学, 政経学部, 教授 (30265962)
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研究分担者 |
新井 健之 高千穂大学, 人間科学部, 教授 (20397095)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 認知特性 / 予測特性 / 運動制御 |
研究実績の概要 |
本研究は、運動物体に対する認知・予測・運動制御局面の特性について各局面のパフォーマンスを評価し、各局面の特性がどのように捕捉パフォーマンスに関係するのか検討することが目的である。2019年度は、条件変えた課題により各局面の特性を解析した。実験は大学生を中心に被験者として、コンピュータグラフィックス(CG)による仮想環境および現実環境において実施した。 仮想環境実験では、認知・予測特性について、運動物体が目盛の付いた板の前面を移動する間に板を変色させ、その時の位置を目盛りで回答する認知課題、運動物体が目盛の付いた板の後方を移動する間に板を変色させ、その時の位置を目盛りで回答する予測課題を実施した。さらにボールの軌道の動画を提示することによりバウンドする位置を予測する課題を実施した。現実環境実験では、運動物体が目標地点に到達する時間と位置にマーカーを動かす運動制御課題を実施した。さらに実際にボールを投じることにより、その精度について検討した。 脳性麻痺の肢体不自由者を対象に仮想環境実験での認知・予測課題を実施した。認知課題では、位置を正確に認知する人、高齢者と同様に誤差が大きくなる人がみられた。障がいの状況と認知・予測特性について検討することが今後の課題である。 テニスボールの放物軌道動画を用い、バウンドの位置を予測する課題を実施した。運動物体の軌道条件の変化が予測にどのように影響するか検討した。軌道(高・中・低)および提示量により、バウンド位置の予測誤差が異なる結果となった。男女とも同様の予測傾向がみられた。 バスケットボールのフリースローにおいて、外乱(閉眼と数字記憶)条件下での実験を実施した。フリースローの時、数字を記憶させシュートした時の距離は通常とほぼ同様であったが、閉眼条件および閉眼+数字記憶条件では、シュートの距離が減少する傾向がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
認知・予測・運動制御の各局面に関する実験課題およびデータ解析方法について検討が必要であり、さらに予備実験が必要であるが、年度末に被験者の参加が滞り、一部の実験ができないため実験課題の検討がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、各局面の特性評価実験として、位置認知、位置予測、時間予測、運動制御の評価実験を継続実施する。また、捕捉能力評価実験として、物体を捕捉する難易度の異なるタスク(高、中、低)の検討し、実験を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験は、必要とする実験課題をほぼ実施できたが、実験手順の効率化および奨学生の学級等による集団実験を実施したため、被験者を拘束する時間や学級等の規定の関係で、謝金の支出が抑えられたため、当初の計画よりも執行額が抑えられた。 これについては、次年度の実験において、新型コロナウイルスの感染予防策を講じた上で実験実施しなければならないと予想されるため、実験時間および日数の増加の可能性があり、それに伴う被験者謝礼および実験スタッフの人権費に流用を考えている。
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