研究課題/領域番号 |
19K11478
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
池森 敦子 (上條敦子) 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (80350635)
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研究分担者 |
柴垣 有吾 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (70361491)
永井 義夫 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (90402718)
小倉 裕司 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (90509952)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | サルコペニア / 2型糖尿病 / GLP-1受容体 |
研究実績の概要 |
高齢期の2型糖尿病患者が増加している現在、生活の質を維持するためにも、骨格筋量及び質の維持(サルコペニア予防)は重要な課題である。特に高齢で肥満を伴う2型糖尿病では、インスリン抵抗性による骨格筋での糖の取り込み抑制により、すでに骨格筋量の低下が生じており(プレサルコペニア)、早期からの骨格筋の量と質の維持が、極めて重要となる。インクレチンホルモンの一つであるglucagon-like peptide-1(GLP-1)が、骨格筋のGLP-1受容体を活性化し、骨格筋の量および質の維持に関与していることが、基礎的および臨床的研究で検討されている。その作用機序としては、糖尿病治療薬としてのインスリン分泌促進やインスリン抵抗性の改善があげられるが、一方で、糖代謝とは独立したサルコペニア抑制効果の報告もある。そこで、本研究では、ヒトの2型糖尿病サルコペニア肥満の病態に極めて近いSDT fatty ratを使用し、GLP-1の受容体活性化が、2型糖尿病性サルコペニアを抑制する可能性およびそのメカニズムを明らかにする。 2019年度は、SDT fatty ratを、①GLP-1受容体リガンド投与群、②非投与群にわけ、投薬を8週齢から16週齢まで行い、サルコペニアの進行程度を比較検討した。その結果、GLP-1受容体リガンド投与群の筋量や筋線維の横断面積は、非投与群と同程度であったが、筋力は、有意にGLP-1受容体リガンド投与群で増加していた。これらの結果は、GLP-1の受容体活性化は、筋の質を改善する可能性を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度において、GLP-1の受容体活性化が、2型糖尿病性サルコペニアを抑制する事を明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、筋から蛋白・遺伝子を抽出し、GLP-1の受容体活性化が、2型糖尿病性サルコペニアを抑制するメカニズムを解明する。
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次年度使用額が生じた理由 |
消費税の増加により、2019年度に購入を予定した試薬が50,000円以上かかるため購入できなかった。次年度経費と合わせて購入する。
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