膝前十字靭帯損傷はとりわけ重篤なスポーツ外傷であり、その予防はスポーツ医学における喫緊の課題であった。本研究では、スポーツ選手の中でも前十字靭帯損傷を負う危険性が高い人を、あらかじめ特定するための動的バランステストを確立し、床反力センサデータ、小型加速度センサデータから得られた姿勢動揺に着目した解析法を提案した。特に膝部にとりつけた小型加速度センサデータが捉える急激な膝部の内側変位(危険な着地の特徴)は、安全な着地動作との判別によく貢献した。本技術は、膝前十字靭帯損傷が好発するハンドボールやラグビーの日本代表チームの動作評価にも用いられ、トップ選手のスポーツ外傷予防に貢献した。
|