研究課題/領域番号 |
19K11501
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
好士 亮介 日本大学, 歯学部, 専任講師 (80453877)
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研究分担者 |
月村 直樹 日本大学, 歯学部, 准教授 (10301558)
菅野 直之 日本大学, 歯学部, 准教授 (30246904)
紙本 篤 日本大学, 歯学部, 准教授 (30386114)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 女性アスリート / 月経周期 / 口腔内環境 |
研究実績の概要 |
アスリートは、スポーツドリンクや口渇・口呼吸の影響によりう蝕罹患率が高く、口腔内環境の悪化がパフォーマンスを低下させることが報告されている。また、女性は月経周期に伴うホルモンバランスの影響で口臭や歯肉出血がみられることから、運動習慣がある女性は口腔内環境の悪化リスクが高いことが考えられる。そこで、我々は月経周期が女性アスリートの口腔内環境に及ぼす影響について検討した。 正常月経周期の運動部に所属する女子選手を対象に、口腔内環境や習慣に関するアンケート調査、う蝕・歯周病リスク判定(唾液検査)、唾液中ストレスマーカー、口臭検査、プロービング深さ(PD)、プロービング時の出血(BOP)、プラークコントロールレコード(PCR)、咬合接触状態、咀嚼機能検査を行った。月経周期のデータが取れた被験者では卵胞期と黄体期で比較を行った。 う蝕経験を示すDMFT指数は同世代の一般女性(平成28年度歯科疾患実態調査)より低かった。歯周病の指標となるPDは健常範囲であったが、歯肉の炎症を示すBOPや口腔清掃状態の指標であるPCRは高かった。唾液検査ではう蝕リスクに関連する項目が高かった。アンケート調査では、う蝕や歯肉炎、顎関節に関する自覚症状が多く、口腔内のトラブルで競技に支障が出た経験も認められた。咬合接触検査では左右差があり、open biteも認められ、咀嚼能力検査では健常有歯顎者より低かった。卵胞期と黄体期の比較では全ての項目で有意差は認められなかった。 卵胞期と黄体期の比較で有意な差は見られなかったが、個別のデータを検討すると、黄体期に酸性度が増加し緩衝能が低下した選手も認められた。また、口腔内環境への意識は低く、咀嚼能力が低下していることが示唆された。 上記の結果を2022年度の日本臨床スポーツ医学会学術大会および日本スポーツ歯科医学会 学術大会で発表した。
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