研究課題/領域番号 |
19K11503
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
田口 素子 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (90360734)
|
研究分担者 |
本 国子 聖徳大学, 人間栄養学部, 助教 (60413209)
鳥居 俊 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (70164069)
高井 恵理 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツメディカルセンター, 契約研究員 (90802455)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 朝食摂取 / 競技者 / からだ作り |
研究実績の概要 |
本研究はたんぱく質代謝と栄養状態の観点から競技者の朝食摂取の有用性を明らかにすることを目的とした。 朝食欠食習慣を有する若年健常男性16名を対象に、朝食摂取がたんぱく質代謝の指標である13 C呼吸試験法を用いた安静時のロイシン酸化、血中の栄養状態指標及び尿中の筋たんぱく質分解指標に及ぼす効果を検討した。エナジー・アベイラビリティー (energy availability: EA) をエネルギー状況の指標として用い、朝食欠食試行では、昼食及び夕食の2食/日かつEA 30 kcal/kg FFM/日未満の食事を連続した7日間摂取させた。7日間以上のウォッシュアウト期間の後、朝食摂取試行では朝食、昼食及び夕食の3食/日かつEA 45 kcal/kg FFM/日以上の食事を連続した7日間摂取させた。両試行ともに7日目から8日目にかけて24時間蓄尿を実施し、8日目に血液検査及び13C呼気試験を実施した。 その結果、13C呼吸試験法を用いた安静時のロイシン酸化及び尿中の筋たんぱく質分解指標 (3-メチルヒスチジン) に試行間での有意な差は認められなかった。一方、血中の栄養状態の指標であるレチノール結合蛋白は、朝食欠食試行後に基準値範囲よりも低値を示したが、朝食摂取試行後には基準値範囲内となり、朝食欠食試行の値と比較して有意に高値を示した。以上の結果より、若年健常男性においてわずか7日間でも適正なEAを満たした食事を朝食摂取も含めて1日3食摂取することにより、血中の栄養状態指標を改善させることが明らかとなった。また、本研究の朝食欠食条件は7日間と短かったため、若年健常男性の筋たんぱく質分解及び体たんぱく質異化の指標に影響を及ぼすほどではない可能性が考えられた。今後はより長期的な介入と試行数を増やした研究を実施することにより朝食摂取の有用性を明らかにする必要がある。
|