研究課題/領域番号 |
19K11508
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研究機関 | びわこ成蹊スポーツ大学 |
研究代表者 |
禰屋 光男 びわこ成蹊スポーツ大学, スポーツ学部, 教授 (30359640)
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研究分担者 |
峰松 健夫 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任准教授 (00398752)
中田 研 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00283747)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 総ヘモグロビン量 / スキンブロッティング / コンディショニング |
研究実績の概要 |
本研究では、スキンブロッティング(SB)法による局所筋の炎症マーカーの測定および総ヘモグロビン量(Hbmass)の測定により、競技者の全身性および局所性のコンディション評価を一体的に実施できる方法を確立することを目的とした。 この目的のため、本年度は研究は①SB技術の測定精度向上の研究②競技者のトレーニング期間ごとのHbmassの変動を検討すること、の2つに大別して実施した。 本年度は①については炎症マーカーのうち、スポーツ現場で多く利用されるクレアチンキナーゼ(CK)に注目して研究を進めた。測定対象となる筋の皮膚表面にSB用のメンブレンを貼付してCKを定量した場合の再現性の確認を実施し、安定的に定量できることを確認した。そのうえで、学生アスリートが高強度筋運動(レジスタンストレーニング)を実施した前後で主働筋の皮膚表面からSB法でCKの発現量を定量することを継続的に実施した。また、付加的な評価としてTNFαの定量の確認も実施した。さらに、経皮的なマーカーの定量とともに筋組織からのマーカーの定量を行い、その相関を検討するため、動物組織を使用する準備を進めた。②については、球技系アスリート約20名を対象として、最大酸素摂取量とHbmassを測定した。その結果、両者の間に有意な相関が認められること、また複数回のHbmass測定によって測定誤差が約2%以下となり、国際的に報告される測定誤差範囲内で測定が可能であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染拡大に伴う調査対象者の活動制限などにより、一部の測定が遅れていたが、その後の計画調整により、おおむね当初予定通りの進展となっている。
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今後の研究の推進方策 |
スキンブロッティング(SB)法による局所筋の炎症マーカーの測定については、肉離れやねん挫などが調査対象者に生じた場合、SB法によるクレアチンキナーゼ(CK)の定量と長音んパ画像分析による受傷部位の評価を合わせて行い、受傷部位のコンディション評価法を確立していく予定である。 総ヘモグロビン量(Hbmass)については、継続的に調査対象者に対して運動量の定量と定期的なHbmassの測定により、長期的なコンディション評価法を確立していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大に伴う調査対象者の活動制限により、調査のための旅費支出や消耗品の支出が減少したため
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