研究課題/領域番号 |
19K11513
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研究機関 | 姫路獨協大学 |
研究代表者 |
大谷 秀憲 姫路獨協大学, 医療保健学部, 教授 (00412023)
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研究分担者 |
時澤 健 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 人間工学研究グループ, 上席研究員 (00454083)
後藤 平太 九州共立大学, スポーツ学部, 講師 (10709603)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 高温環境 / 日射量 / 気流 / 運動能力 / 体温調節 |
研究実績の概要 |
最終年度は、研究計画通りに研究成果の発表と論文の作成を行った。研究成果は、第22回国際生気象学会大会と第33回国際産業保健学会大会の2つの国際学会大会と、第76回日本体力医学会大会と第36回日本体力医学会近畿地方大会の2つの国内学会大会で発表を行った。また、研究成果は、第5回国際産業保健学会温熱因子分科会会議と第35回運動と体温の研究会での招待講演の中で発表した。研究成果の一部は、学術論文として2022年にInternational Journal of Biometeorologyと2021年にFrontiers in Physiologyに発表し、総説論文(招待あり)として2021年に繊維機械学会誌せんいに発表した。同じく、研究成果の一部は、スポーツ誌コーチング・クリニックでの連載記事の中(21年7~10月号)で発表した。 本研究の結果から、暑熱環境下の運動時には、高日射量+弱風時では、高日射量+強風時、日射無し+弱風時および日射無し+強風時よりも持久性運動能力は有意に低下し、深部体温と皮膚温の上昇による体温調節系の負担や心臓血管系の負担は増大することが明らかとなった。さらに、高日射量+弱風時は他の条件に比べ、温熱感(暑さの感覚)と疲労感の上昇が有意に高くなることが確認された。また、高日射量+強風時および日射無し+弱風時には、日射無し+強風時よりも持久性運動能力と体温調節能は有意に低下することが明らかとなった。皮膚からの熱放散量は、気流の強弱の影響よりも日射の有無の影響の方が影響力が大きく、高日射量条件下では日射による熱吸収により、体内に熱が流入することが確認された。本研究の結果から、暑熱環境下の運動時には、日射量が強く気流が少ない条件下では、特に疲労が起こりやすく、体温上昇も促進されるため、熱中症を発生する危険性が高くなることが明らかとなった。
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