本申請では,人間の認知能力に近い行動・情動推定システムの実現を念頭に,空間的特徴と時間的特徴を融合した新たな手法を確立することを主たる目的としている.具体的には,遺伝的アルゴリズムのような進化的手法と敵対学習の組み合わせや,空間的特徴量と時間的特徴量の融合に取り組み,ニューロサイエンス分野の研究協力者と議論し,新たな深層学習のスキームを提案する. 1年度目では、主な成果として3D Point Cloud Retrieval With Bidirectional Feature Matchという新たな3次元点群の特徴量マッチング手法を提案し,ジャーナル論文として発表することができた. 2年度目は主として1年度目で収集したデータを用いて実際に特徴量をマッチングする新たなスキームについて検討した.さらに,人間の頭部の検出方法について,深層学習およびTransfer Learningを用いた新たな手法を提案し,ジャーナル論文として発表することができた.さらに,10月以降において,深層学習における時間的特徴量の利用方法について本格的な検討を進めており,動画像ビッグデータの生成法に関する検討も始めた. 3年度目では,2年目度の研究をさらに発展させ、部分的に遮蔽された頭部の検出に関するジャーナル論文「Reconstruction of Partially Occluded Facial Image for Classification」を発表することができた. 最終年度では,スポーツ分野における行動・戦略・意図・チームワーク(対人協調)などの精緻な分類,解析方法に応用可能な,空間特徴量と時間特徴量の融合技術の検討を進め,認知心理学に関連する国際会議において発表した.さらに,その成果を発展させ,ジャーナル論文として執筆中である.
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