• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

実滑走計測・解析情報に基づくスキー・スノーボードターンの定量化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K11517
研究機関同志社大学

研究代表者

廣瀬 圭  同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (50455870)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードスキー / GPSレシーバ / 慣性センサ / 地磁気センサ / 滑走速度
研究実績の概要

実滑走情報に基づいて,スキー・ターンの3次元解析モデルの構築と各要素に着目した解析を行った.慣性センサ・地磁気センサとGPSレシーバの情報を組み合わせ,姿勢推定,速度推定のセンサ・フュージョンを構築,適用することによって3次元の滑走速度情報を推定した.滑走速度はスキーヤーの座標系に再変換することによって,スキーヤーの進行方向,左右方向,上下方向の滑走速度を表すことにより,時々刻々と変化するスキーヤーの運動に対応した滑走速度を表した.
また,推定した滑走速度と,加速度情報に基づく解析を展開し,姿勢情報と加速度センサ出力によって得られた絶対座標系における加速度を用いることによって重力成分による加速要素を表し,滑走速度を用いることにより,空気抵抗による減速要素について実滑走情報を用いて表すことができ,重力加速度による加速要素以外にも加速要素が存在しないと実滑走情報に適合しないことが明らかとなった.
そこで,各加速度成分に着目した解析を行い,カービングターンに移る段階でコリオリ成分が生じていること,ターン中は遠心成分が発生していること,それらの加速度は最終的に進行方向の加速度に変換されておりことを示し,加速に寄与していることを実滑走情報を用いて表すことができた.
さらに,遠心加速度とコリオリ成分の和を用いた解析を行うことにより,スキー板の横ずれを伴わないカービングターンだけでなく,横ずれによる減速要素が生じるスキッディングターンの解析が可能であることを示すことができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画時にはスキー・ターン,スノーボード・ターンの両方についての解析を行う予定であったが,スキー・ターンの解析に止まっている.しかし,スキー・ターンの解析において研究計画時の想定よりもより多くの結果が得られていること,スノーボード・ターンにおいても多くの要素において同様の現象が生じていることが想定できることから,おおむね順調に進展していると判断したため.

今後の研究の推進方策

研究計画時の予定通りに研究を推進する予定であったが,新型コロナウィルスの影響により,屋外実験を行うことは,計測装置の準備などの段階において比較的密な状態にならざるを得ないことから難しい状態にある.しかし,今年度の解析結果により,解析モデルの拡張指針がある程度見出せるため,先行して解析モデルの拡張および現段階の解析で行えるターンの定量化を実施していく.また,次次年度においても計測実験を行うことが難しい場合,同様の現象を小規模ながらも屋内環境でも発生,計測できるようにシステムを整えることにより,新型コロナウィルスによる影響下においても結果が出せるように推進していく.

次年度使用額が生じた理由

次年度の計測実験を想定し,事前に計測システムの準備を予定していたが,新型コロナウィルスの関係で屋外実験計画が不透明となったため,解析に重点をおいた研究を実施したこと,新型コロナウィルスの関係で学会大会が中止となり,一部国内旅費が未使用となったため.
屋外実験によって得られる結果と同等の結果を得るために,小規模ながら同様の現象を捉えられる環境,システムが必要となるため,それらの構築(屋内での実験環境)および解析を細かく行える環境を整備するために使用する.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 実滑走情報を用いたカービングターンにおけるメカニズムのモデル化に関する研究2019

    • 著者名/発表者名
      近藤亜希子,廣瀬圭,千葉遥,伏見知何子
    • 学会等名
      日本スキー学会第30回大会
  • [学会発表] 実滑走計測によるカービングターン・スキッディングターンの加速度解析に関する研究2019

    • 著者名/発表者名
      廣瀬圭,近藤亜希子,千葉遥,伏見知何子
    • 学会等名
      日本スキー学会第30回大会
  • [学会発表] 実滑走情報を用いたカービングターンにおける並進・回転加速度成分の解析に関する研究2019

    • 著者名/発表者名
      廣瀬圭,近藤亜希子,千葉遥,伏見知何子
    • 学会等名
      日本スキー学会2019年度秋季大会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi