研究課題/領域番号 |
19K11529
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
市村 志朗 東京理科大学, 理工学部教養, 教授 (30408702)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 量的データモデル作成 / ゲーム分析 / 球技スポーツ / 機械学習 |
研究実績の概要 |
本研究では、試合や練習時に得ることの出来る選手の位置や加速度といった大量の量的データから「どのように」、「どのような」といった質的行動を、人に依存しない計算機による手法を用いて評価するための手法を開発することを目指している。球技のゲーム分析において、人が認知・判断していた部分を、計算機によって判断させることで作業者による結果のばらつきをなくし、大量の量的データから均一な質的な行動評価を可能とするためには、良質な量的データモデルが必要である。そこで、本年度は、機械学習による画像分析を用いてプレーの種類を分類するための教師データモデルを作成することを目的とした。 2019年度に撮影した国内男女大学生のハンドボール公式試合のセット攻撃局面(812シーン)と女子世界選手権でのセット攻撃シーン(300シーン)をそれぞれの攻撃パターンに分類し、攻撃パターンごとにセット攻撃時の攻撃開始から攻撃終了までの6名の攻撃選手の二次元座標データを取得した。そして、それぞれの攻撃パターンでの6名の攻撃選手の移動二次元座標データをグラフ化した。 本研究の最終目的である計算機によるゲーム分析の確立を目指し、第一段階として、出現回数の多かった3つの攻撃パターンを用いて、機械学習による画像分類で必要となる教師データモデル作成のグラフの画像化とその画像のアノテーションを行った。そして、現時点では、これらの画像を用いて、モデルのチューニングを行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度までに取得している映像をデータを学生アルバイトを雇用して二次元DLT法ビデオトラッキング法を用いて、プレイ時の選手の移動二次元座標を年度前半に行う予定であったが、新型コロナ感染症拡大予防のための緊急事態宣言により2020年度前半に本作業は全く行うことができなかった。2020年度後半には、GPSもしくはUWBを用いてプレイ時の選手の移動二次元座標を取得する予定であったが、大学施設の使用ができなかったことからその予定を取りやめ、2020年度前半に行う予定であったデジタイズ作業を行った。したがって、おおよそ半年以上の遅れが生じている。また、その後、GPSやUWBを用いた実験においても当該大学の体育館内でのスポーツ活動が制限されていたことから2020年度内で実施するところまで至ることができなかった。 しかし、2020年度後半にこれまで撮影した映像から多くの選手の移動に次元座標を得ることが出来ているのでそれらのデータを用いて、まずは本研究目的であるプレー時の量的データモデルの作成を試みているところである。
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今後の研究の推進方策 |
既存のデータを用いて、機械学習による画像分類ための教師データモデルを作成を継続する。また、教師データモデル作成のためのデータが不足することが予測されることから特定の攻撃パターン時のセット攻撃時の攻撃開始から攻撃終了までの6名の攻撃選手の二次元座標データを取得する必要がある。なお、映像データからの二次元DLT法ビデオトラッキング法では、二次元座標データを得ることのに多くの時間が必要であることから、今年度は、GPSやUWBを用いて、二次元座標データの取得の行うことを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症拡大予防による緊急事態宣言により二次元DLT法ビデオトラッキング法を用いた選手と移動座標の取得する分析作業へのアルバイト雇用ができなくなったこと、および、とハンドボールの試合を行うための体育館利用が制限されたことにより、UWBを用いた実験が行うことが出来なかったことにが経費の使用をできなかったことが大きな原因である。2021年度は、教師データモデルを作成するための多量の選手移動の二次元座標データが必要となることから体育館が制限された場合は屋外にてGPSもしくはUWBを用いた実験を計画するつもりである。そのための機器の準備や整備のために使用する予定である。
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