研究課題/領域番号 |
19K11532
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
石井 秀幸 立教大学, コミュニティ福祉学部, 准教授 (40534730)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | バイオメカニクス / 有限要素解析 / 接地 / 足部内挙動 / 医用画像 / 形状抽出 |
研究実績の概要 |
本研究では,衝撃力が足部に作用する着地やスポーツ動作における接地中の足部内部で生じる力学現象を解明することを目的とし,有限要素モデルを構築して,材料特性などを変化させた着地および走行動作における接地のシミュレーションを行う. 内部構造を考慮した足部の有限要素モデルを作成するために,医用画像から抽出した足部表面,骨,アキレス腱の3次元形状データを有限要素解析ソフトウェアAbaqus(ダッソー・システムズ社)にインポートした.これらの形状を用いて軟骨と軟組織の形状を作成し,さらに靱帯,腱,足底腱膜,皮膚をモデル化した.有限要素モデルの各部位には個別の材料特性を割り当てるとともに,摩擦の定義,荷重の定義などを行った.当該年度には,下腿部の境界条件,アキレス腱張力の定義,足関節荷重の定義などを変更した上で接地局面の有限要素解析を行い,有限要素モデルの妥当性を検討して有限要素モデルの修正に取り組んだ.当該年度に変更した下腿部の境界条件,アキレス腱張力の定義,足関節荷重の定義によって有限要素モデルが大幅に改善されたと考える. 本研究を推進することで,着地および走行動作における接地中の足部内部で生じる力学現象を明らかにできる可能性がある.さらにシミュレーションによって,材料特性などの変化が,着地衝撃応答や走行動作に影響を及ぼすメカニズムを検討することも可能である.これらの結果は,障害発生予防,パフォーマンス向上,製品開発に寄与する可能性があるという点で意義のあるものと考える.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
有限要素モデルの作成過程において,荷重の定義などは,試行錯誤しながら合理的な方法を検討する必要があった.当該年度末においても,有限要素モデルの妥当性を検討して有限要素モデルを修正している途中であり,有限要素モデルの妥当性確認を完了できておらず,有限要素シミュレーションも実施できていない.本研究は非常に難易度が非常に高く困難の連続であったため,申請時の研究計画より遅れているが,研究を着実に進展させることができたと考える.
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今後の研究の推進方策 |
今後はまず,当該年度末において未完了であった有限要素モデルの妥当性確認および有限要素モデルの修正を行う.具体的には,地面反力データおよび運動学データについて,有限要素解析結果を実験結果と比較することによって,有限要素モデルの妥当性を確認し,必要に応じて有限要素モデルを修正する.その後,妥当性が検証されたモデルを用い,材料特性などを変化させて着地および走行動作における接地のシミュレーションを行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の直接経費は89,899円であり,プリンタトナーカートリッジ23,600円との差額として次年度使用額66,299円が生じた.次年度は,Abaqusのサポートコンサルティングで使用する計画である.
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