研究課題/領域番号 |
19K11544
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
小林 真 筑波技術大学, 保健科学部, 准教授 (60291853)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 視覚障害者スポーツ / フロアバレーボール / モーションキャプチャ |
研究実績の概要 |
視覚障害者向け団体球技として国内でポピュラーなフロアバレーボールについて、1つのチーム内で交わされる音声指示の内容を調べた。フロアバレーボールは視覚障害者スポーツの中でも比較的ポピュラーなもので、各盲学校で体育の授業などで行われたり部活動で行われたりすることが多い。ボールは通常のバレーボールを用いて3回の接触以内で相手コートに返すもので、ネットの下を通すという点が通常のバレーボールと大きく異なる。ブラックゴーグルを装着した前衛3名と、弱視選手を含む比較的視力のある後衛3名の6人制で行われ、ゲーム中は主に後衛から前衛に対しての音声指示と、前衛がサーブを打つ際の空間認識を支援する音声指示が主なものであった。その内容としては左右の方向と歩数の組み合わせによる移動指示、相手コートの状況説明等であった。方向指示については向かい合う状況において混乱し逆の意味が伝わることが稀に発生していたが、概ね機能していた。 その一方で、フロアバレーボールに関しては動作の定量的なデータや学術的な知見自体がほぼ存在しないことが分かったため、基礎的な動きのデータを収集することにした。前衛プレーヤーのサービス動作に焦点を当て、3次元モーションキャプチャ装置を用いて4名分の腕の動きと打ち出したボールの速度を収集した。その結果、先天盲のプレーヤーの例としてバックスイングが早くフォロースルーがほとんどないケースがあること、バックスイング時はその速度に寄らず打ち込む時よりも外側の軌跡を描くことなどが分かった。そしてそれらのボール速度やコントロールへの影響は不明なものの、他者と動きを比較することが困難な重度の視覚障害者プレーヤーにとって、動作や結果の定量化や数値化などが大きなモチベーションにつながることがインタビューにより確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
夏季に購入したモーションキャプチャ装置が故障し、その修理に生産国への送付などの時間が必要となり、秋に予定していた動作データの収集が春先になってしまったため。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度はコロナウイルスの影響でデータ収集が難しいかもしれないが、ボウリング選手のモーションデータおよび追加のフロアバレー選手のデータを収集する。また元年度に得られたデータと考察について発表する。
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