研究課題/領域番号 |
19K11544
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
小林 真 筑波技術大学, 保健科学部, 准教授 (60291853)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 視覚障害者スポーツ / 触覚ディスプレイ / フロアバレーボール / 視覚障害者ボウリング / モーションキャプチャ |
研究実績の概要 |
コロナ禍の影響により、視覚障害のあるプレーヤーのデータをモーションキャプチャ等で収集することは困難であった。一方、前年度実施した代表的な視覚障害者スポーツのフロアバレーボールプレーヤーのモーションキャプチャーや打ち出した球速の測定、インタビュー等を通して、動作や結果の定量化と数値化が視覚障害当事者にとって重要であることが分かった。そこで、2020年度はこれらを効果的に提示するデバイスの開発に研究の方向性を変更した。試作したデバイスは、12×32に配置された384本の触知ピンで、変化する位置情報をリアルタイムで表示するものである。この触知ピンは点字ディスプレイと同じようにピエゾアクチュエータによって隆起するもので、2.4mm間隔で配置されているユニットを用いた。更にデバイス自体は単四乾電池4本で駆動し、無線LANインタフェースを備えるESP8266で制御するように設計した。そのため、完全にワイヤレスで動作し、離れたコンピュータから制御することが可能となった。本デバイスを利用することで、体育館やグラウンドといったフィールド場の任意の場所で、当事者に位置情報を伝えることができる。動作させるソフトウェアの例として、タッチパネル上に描いたものをリアルタイムで提示されるものなどを作成し、フィールド内での動作を確認した。 また、これまでの成果を静岡で開催予定であった国内シンポジウムとイギリスで開催予定であった国際会議に、それぞれオンラインにて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の方向性をデバイス開発に変更することで少しずつ進展しているが、コロナ禍の影響により、視覚障害者スポーツ自体が行なわれなかったことが大きな理由である。また、視覚障害者ボウリングに関しては、主な活動が行なわれていた施設が閉鎖されてしまうなど実施場所の確保が困難な状況である。
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今後の研究の推進方策 |
コロナの影響が不透明な状況であるため当初の目的から方向性を少し変更し、音声指示によりプレーヤーの位置がどのように移動するか測定した後に触覚提示できるシステムの構築に注力する。
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