研究課題/領域番号 |
19K11545
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉岡 伸輔 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (20512312)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | アルペンスキー / 前十字靭帯 / バイオメカニクス |
研究実績の概要 |
前十字靭帯損傷はアルペンスキーにおいて深刻な予後を招くことから、スキー研究において長く前十字靭帯損傷に関する研究が進められ、その受傷メカニズムが調べられてきた。本研究は、前十字靭帯損傷リスクの低い滑走技術について明らかにすることを目的として実施中である。今回、実際のスキー滑走データと動力学シミュレーションを組み合わせた手法を用いて研究を進行中である。本研究の特長は2点あり、1点目は一般的にばらつきの激しいスキーの雪上データに対して、独自に開発した動作計測システムを用いてデータを多量に計測することにより頑健な解析を行うこと、2点目は動力学シミュレーションを組み合わせることにより体系的かつ網羅的にスキーヤーの動作変動が膝関節負荷に与える影響を調べることにある。
研究初年度から継続して滑走中の動作データを取得中であるが、R3年度は大回りターンのフリー滑走データを取得し、当年度で実滑走中データの収集面で基盤的データ(フリー滑走の中回りと大回り、スラロームのゲート滑走)が整った。 また、スキー滑走における動力学シミュレーションにおいては、昨年度から継続し、モデル構築を実施中である。今年度はスキーと雪面における接触力のモデルを当該シミュレーションモデルに組み込み、シミュレーションテストを進め、凡そ完成した。当該接触力モデルにおいて計算時間が大幅に増加したことから、次年度は計算時間の短縮のための対策(一部コーディングの見直し等)を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当研究における手続き的ポイントは、実験を通して多様な動作データを取得すること、および、実験データと動力学シミュレーションの融合により多様な動作を新たに生成することであるが、両点ともに計画通り進んでいることから順調と判断し得るものである。
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今後の研究の推進方策 |
残りの1年において、シミュレーションモデルを完成させることが課題として残されている。R4年度前半はシミュレーションモデルと実験データの統合について主に技術的観点から研究を進め、R4年度後半は膝関節への負荷(前十字靭帯損傷に関連する力学的負荷)について動作との関連性を明らかにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
スキーを対象とした当研究は、動作データ取得が冬期に集中することから研究費の使用額において3月末に予定額とのずれが生じやすい。加えて、コロナ禍の混乱の中で計測スケジュールの急な変更等も度々生じており、若干の残額が生じた。ただし、計画自体に特記すべき変更は生じないものと予想される。
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