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2020 年度 実施状況報告書

知覚・認知機能の個人差に着目したプレッシャー対策のための知覚トレーニングの検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K11547
研究機関金沢大学

研究代表者

村山 孝之  金沢大学, GS教育系, 准教授 (20531180)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード知覚運動制御 / 注意 / 標的照準課題 / プレッシャー / ゴルフパッティング
研究実績の概要

プレッシャー下では,運動スキル遂行時に運動課題とは無関連な刺激情報に注意が配分されることで,適切な運動スキル遂行が阻害される.特に,課題無関連刺激への注意配分量の増加は,課題開始直前の選択的注意の時間的・空間的変化をもたらし,そうした変化は視線行動を計測にすることによって捉えることができる(特に動作開始直前の特定の対象物への100ms以上の注視=Quiet Eye(QEと略記)).
これまでの関連研究から,プレッシャー下でもQE時間を確保するQEトレーニング(QET)を利用することで運動スキルの崩壊を予防できることがわかっている.しかしながら,QE時間の変化は注意制御に関わるワーキングメモリの容量(WMC)の個人差の影響を受けるため,QETの効果もまたWMCの個人差によって異なる可能性がある.そこで本研究では,QETが視線行動や運動パフォーマンスの正確性に及ぼす効果をWMCの個人差に着目して検証する実験を行った.
本研究では,当初,プレッシャーによる運動学的変化を専用のシステムで解析しやすい射撃課題を利用予定であった.しかし,射撃用スコープを覗いている際の視線行動をアイトラッキングシステムを頭部に装着した状態で正確に計測することが困難であることがわかった.そこで現在は,課題をゴルフパッティング課題に変更し,研究課題の遂行を進めている.パターヘッドのインパクト時の動作様相を計測可能な機器を準備したため,視線行動を計測しながら,同時にプレッシャーによる微細な運動学的変化を正確に計測することができる環境が整ったと言える.また,WMCについては心理実験ソフトウェアを使用したストループ課題システムを既に構築しており,PC上で円滑に計測可能であることを確認している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初,プレッシャーによる運動学的変化を専用のシステムで解析しやすい射撃課題を利用予定であったが,射撃用スコープを覗いている際の視線行動をアイトラッキングシステムを頭部に装着した状態で正確に計測することが困難であることがわかった.そこで現在は,課題をゴルフパッティング課題に変更し,パターヘッドのインパクト時の動作を正確に計測可能なシステムを準備し研究課題の遂行を進めている.

今後の研究の推進方策

運動課題の変更に伴い導入したパターヘッドの動きを詳細に計測可能な計測機器を用いて研究目的の再検証を目指す.また,当初,QETの効果はWMの機能が低い参加者ほど大きいと想定していた(プレッシャーによる注意制御が混乱しやすいため).しかし,本年度の予備検討から,むしろWMの機能が高い参加者ほどボールとターゲットの両方に対する空間的注意が向きやすく,注意領域が拡大することによって身体動作やパター動作の変動が大きくなる可能性があるため,QETがパフォーマンスの安定に貢献しうることもわかった.そのため,参加者の注意の場所を視線行動だけでなくVAS等を利用しながらより広く計測するなど,計画を適宜変更したうえで目的の再検証を進めていく.

次年度使用額が生じた理由

実験課題(運動課題)を変更したことにより,当初想定していた射撃システムに充てる予定の物品費支出額が低額で済んだため.

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公開日: 2021-12-27  

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