研究課題/領域番号 |
19K11548
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
吉田 和人 静岡大学, 教育学部, 教授 (80191576)
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研究分担者 |
飯野 要一 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (50345063)
玉城 将 名桜大学, 健康科学部, 准教授 (80599233)
稲葉 優希 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学部, 研究員 (30709431)
奥村 基生 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (90400663)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 卓球 / サービス / フェイント動作 / レシーバーの視線 / ラケットの動き / ボールの回転 / ボールの軌道 / 内観 |
研究実績の概要 |
卓球サービスにおけるフェイント動作に関するこれまでの実験的検討では,サーバーの動き,ボールの回転と軌道の測定が中心であり,「レシーバーがどこを見ているか」に関するデータは明らかにされていない.そのため,レシーバーが「球質判断を誤った」と指摘する場面において,サーバーのどの動作が有効であったかについて,十分な検討は見られない.そこで本研究では,これまでの実験的検討に,レシーバーの視線と動きの測定を加えることから,「卓球サービスにおける優れたフェイント動作の特徴」を検討する.さらに,それらの結果から,「卓球サービスにおいてフェイントの技術水準を向上するために重要な動き」を明らかにする. 3年計画の1年目にあたる2019年度には,実験の実施に向けて,(1)サーバーのラケットと身体の動き,(2)ボールの回転と軌道,(3)レシーバーの視線,(4)レシーバーのラケットと身体の動き,(5)サーバーとレシーバーの内観を測定する方法をそれぞれ検討した.その結果,レシーバーの視線測定については,データのサンプリング周波数,正確度,精密度を上げる必要性などが認められた.そのため,予定していた方法の再検討を行っている.一方,サーバー及びレシーバーのラケットの動きの測定については,高精度な小型慣性センサーを用いることにより,これまでと比べ詳細なデータが得られる見通しがついた.これら以外の測定については,予定していた方法の変更は必要ないことが確認された.今後,予備的測定を重ねることによりレシーバーの視線測定方法を確定し,早期に実験を実施することが課題である. その他,本研究に関連する過去のデータを分析し,「卓球のレシーブにおいて,サーバーの動きのどこに着目しているか」に関する検討を進めた.この成果については,公開の準備を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
レシーバーの視線測定については,データのサンプリング周波数,正確度,精密度を上げる必要性などが認められ,予定していた方法の再検討に時間を要した.そのため,実験の実施には至っておらず,研究にやや遅れが生じている.
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今後の研究の推進方策 |
3年計画の2年目にあたる2020年度には,予備的測定を重ねることによりレシーバーの視線測定方法を確定し,実験を実施する.さらに,得られたデータについて,サービス動作の開始からフォロースルーの終了までを対象に,(1)サーバーのラケットと身体の動き,(2)ボールの回転と軌道,(3)レシーバーの視線,(4)レシーバーのラケットと身体の動きを明らかにする.それらについて,サーバーとレシーバーがインタビューで回答したプレーに関する内観との関連を明らかにする. 3年計画の最終年にあたる2021年度には,2020年度の分析結果について,スポーツバイオメカニクス的観点と認知心理学的観点からの検討を合わせて行い,「卓球サービスにおける優れたフェイント動作の特徴」,「卓球サービスにおいてフェイントの技術水準を向上するために重要となる具体的な動き」の2点を明らかにする.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 2019年度には,実験方法の検討を行い,レシーバーの視線測定については,データのサンプリング周波数,正確度,精密度を上げる必要性などが認められた.そのため,当初予定していたレシーバーの視線計測装置の購入には至らなかった.このことにより,実験を実施できなかった. (使用計画) 2020年度においては,2019年度に予定していたレシーバーの視線計測装置購入及び実験の予算を用いて,本研究に適した機器を使用した実験を実施する.
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