本研究では,骨格筋への機械的刺激や荷重負荷によるエネルギー代謝調節機構に関与する分子の一つとして神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)を想定し,ラットの尾部を懸垂し,後肢筋への荷重負荷を減少させた筋において,nNOSおよびマイトファジー関連タンパク質を含むnNOSと相互作用する種々のタンパク質発現の変化を検討した。その結果, NOを合成するnNOSや,nNOSと結合してNOの合成に関わるHSP90,ミトコンドリアのタンパク質分解に関わるParkinが機械的刺激や荷重負荷によるエネルギー代謝の調節に関係している可能性が考えられた。しかしながら,詳細なメカニズムについてはさらなる研究が必要である。
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