研究課題/領域番号 |
19K11557
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
窪田 敦之 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (20569339)
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研究分担者 |
尾崎 隼朗 東海学園大学, スポーツ健康科学部, 講師 (00748428)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 野球 / ピッチング / 肩関節 / 投球負荷 / 筋硬度 |
研究実績の概要 |
大学硬式野球部に所属する投手12名(平均年齢20.1歳)を対象に、肩関節および股関節のコンディションと投球時の肘外反ストレス(アームストレス)や腕の振りの速さ(アームスピード)の変化を3ヶ月間記録し、それぞれの関係について調査した。肩関節および股関節のコンディションは、毎日の投球前の関節可動域および本人が自覚する張りや痛みの程度で評価した。投球時のアームストレスについては、ウェアラブルセンサーを用いてウォーミングアップとして行なうキャッチボールから試合中の全力投球まで、全ての投球で計測した。また、記録されたアームストレスから高負荷投を抽出し、その球数や割合についても評価した。その結果、1日の平均投球は154球であり、平均アームストレスは30Nmであった。その日の投球前の可動域とアームストレスの関係をみたところ、肩関節3rdポジションでの外旋可動域が大きいほど高負荷投球数の割合が高くなる一方で、高負荷投球の数や割合と翌日の可動域には関係がみられなかった。また、1日の投球数やアームスピードの高い投球数が多い時ほど、翌日の肩関節総可動域や外旋可動域が大きく、内旋可動域は小さくなることが明らかとなった。以上のことから、比較的長期間で『肩を作る』場合には、全体的な投球数だけでなく、1球ごとの投球負荷にも目を向けながら、段階的に負荷強度を調整する必要性が考えられる。 また、運動による肩関節の機能低下とその回復過程についてさらに追加検証し、論文投稿を進めている状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ感染症予防に伴い野球部の活動を大幅に縮小した。そのため、本来行なう予定であった介入実験を変更し、公式戦メンバーのみで実施できる調査を行なった。介入実験については、全ての活動が許可された段階で取り組む予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画していた、投球前の準備として行なう「肩を作る」への介入実験を行なう予定である。投球数だけでなく、1球毎の投球負荷にも着目し、投球量の調整によって条件設定する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症予防に伴い、実験の遂行が遅れてしまったため。現状では、一部実験が進められているので、昨年度末より少しずつ取り組んでいる状況である。今後の計画として、当初予定していた介入実験を進める。
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