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2020 年度 実施状況報告書

大規模データを用いたアスリートの加速能力の分析と競技パフォーマンスとの関連調査

研究課題

研究課題/領域番号 19K11563
研究機関中京大学

研究代表者

瀧 剛志  中京大学, 工学部, 教授 (40319223)

研究分担者 高井 洋平  鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 准教授 (20574205)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード加速能力のモデル化
研究実績の概要

今年度はコロナ禍において新たなデータ収集が期待できないこともあり、既存のトラッキングデータを対象としたアスリートの加速能力の分析に重点を置いた。これまでトラッキングデータから試合中に発揮された加速度(平面上を移動する際の2次元加速度)とそのときの移動スピードをグラフ化することにより、各移動スピード帯における最大加速度の外形が円状に分布することを確認した。そこで、この外形を円近似し、そのパラメータ(中心座標と半径)と移動スピードとの関係について調査を進めてきた。その結果、移動スピードが速くなるに従って、近似円の半径は小さくなり、その近似円の半径は移動スピードの大きさsの2次関数として近似できることを確認した。また、移動スピードが速くなるに従って、その近似円の中心座標は進行方向とは逆方向に移動し、その関係は線形であることも確認した。これは、外形円の中心座標が本研究で定義した3次元空間(2次元の加速度<方向と強度>に加え、その時の移動速度の大きさ<移動スピード>を第3軸としたもの)中では直線上に分布することを意味する。このことから、ある選手がある方向へあるスピードで移動しているとき、その直後に、どの方向へどれくらいの加速度で移動できるかを有限個の近似パラメータでモデル化できる可能性がある、ということが示唆された。ただし、この結果は限られたデータによるものであるため、より多種多様なトラッキングデータを用いて検証を進めて行く予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

トラッキングデータを用いて選手の競技中の加速能力をモデル化するための手法の開発については概ね目途をつけることができた。しかしながらデータ収集に関して、昨年度に引き続きコロナ禍の影響で学内外でのデータ収集が予定通り進んでいない。そのため、実際の試合中のパフォーマンスを、本研究で提案する加速能力のモデル化によって、どれほど表現できるかの検証を進めるに至っていない。その点において、現状は「やや遅れている」と判断した。

今後の研究の推進方策

「現在までの進捗状況」でも述べた通り、現状では十分なトラッキングデータが得られておらず、本研究で得られた結果の信頼性を示すには至っていない。残された研究期間は今年度のみであるため、早期に追加データを収集するためのスケジュールを再検討するほか、できる限り短時間で多量のデータを収集するために新たな計測装置を導入するといったことも検討する。また、現状では特定の競技種目のデータしか得られていないが、できる限り多種目でのトラッキングデータを用いて、各競技種目における加速特徴を明らかにしていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍において、実験データ収集が計画通り実行できず、そのための旅費や人件費の執行がかなわなかったこと、学会・研究会への情報収集や成果発表、共同研究者との対面でのミーティングがオンライン中心となり、旅費を使用する機会が無かったことに起因する。次年度もコロナ禍での活動が予想されるため、新たに計測装置を導入し、当初の計画と並行してデータ収集を加速させる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] チームプレー評価のためのスペースと隣接関係の定量化法2020

    • 著者名/発表者名
      瀧 剛志
    • 雑誌名

      トレーニング科学

      巻: 32 ページ: 55-64

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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