• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

運動が空間学習・記憶機能の異なるラットの海馬に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 19K11568
研究機関中村学園大学

研究代表者

中野 裕史  中村学園大学, 教育学部, 教授 (60301678)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード学習 / 記憶
研究実績の概要

2022年度は,モリス水迷路課題を指標とした空間学習・記憶機能の亢進を呈するラット(高学習系)と低下を呈するラット(低学習系)の系統を選択交配によってそれぞれ15世代目まで作成した。
両系統ともに8~10週齢時に,ビデオトラッキングシステムを用いてモリス水迷路課題を1日当たり4試行,5日間実施した。各試行は4ヵ所のランドマークのいずれかよりスタートし,プラットフォーム上に静止した場合を成功試技とした。試行時間は最大60秒間とし,6日目にはプラットフォームを取り除いたプローブテストを60秒間実施し,プラットフォームエリアの滞在時間を測定した。選択交配は12週齢以降に行った。
1~5世代目,6~10世代目,11~15世代目の3群に分類し,高学習系と低学習系のプローブテストの結果を2要因分散分析を用いて比較した。統計量は平均値±標準偏差で示し,有意水準はp < 0.05とした。
オスにおいて,プラットフォームエリアの滞在時間は高学習系の1~5世代目,6~10世代目,11~15世代目でそれぞれ20.1±7.4秒,20.9±5.6秒,22.6±5.1秒であり,低学習系でそれぞれ16.8±5.5秒,17.3±5.0秒,17.2±5.4秒であった。系の主効果のみ有意であり(F(1,191) = 21.9,p < 0.001),高学習系が低学習系よりもプラットフォームエリアの滞在時間が長く,空間記憶機能が優れていた。
一方,メスにおいて,プラットフォームエリアの滞在時間は高学習系の1~5世代目,6~10世代目,11~15世代目でそれぞれ19.8±3.8秒,20.4±4.1秒,20.6±4.8秒であり,低学習系でそれぞれ21.7±5.7秒,17.7±4.6秒,17.4±5.7秒であった。メスの空間記憶機能においては,有意な相違は認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

選択交配により不妊・出産数の減少など生殖機能の低下が見受けられ,運動介入や生化学的分析を実施する十分なサンプル数が確保できていない。

今後の研究の推進方策

交配時の週齢を早めて,20世代目までの作成を目指すとともに,生化学的分析を実施する。

次年度使用額が生じた理由

生化学的分析が未実施のため,生化学的分析に係る物品費用が生じずに次年度使用額が生じた。これは,次年度の交配・飼育・行動分析・生化学的分析に係る物品費用として使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 空間学習能力の相違を呈する2つのWistarラット系統2022

    • 著者名/発表者名
      中野裕史
    • 学会等名
      第77回日本体力医学会大会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi