研究課題/領域番号 |
19K11575
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
鉄口 宗弘 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70397793)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小学生児童 / 身体活動量 / 運動負荷試験 / ActiGraph |
研究実績の概要 |
本研究は、ActiGraphを用いて児童および生徒の睡眠の質(睡眠効率)と身体活動量および体力との関係について検討することを目的とし、研究を実施する。ActiGraphは、身体活動量のみならず睡眠時間等を具体的数値として測定できる装置である。しかしながら、日本における研究での使用は多くなく、身体活動量に関しての検証が必要である。よって、①日本の児童・生徒におけるActiGraphの精度の検証、②児童・生徒の睡眠と身体活動量との関係について、それぞれ検討する。 2019年度の研究実施計画では、小学校児童を対象としたActiGraphの精度の検証を行うため、小学生高学年児童にActiGraphを装着させ、トレッドミルを用いた運動負荷試験を実施、その際、酸素摂取量の測定を行い、酸素摂取量とActiGraphの運動強度との関連を検証する予定であった。実験を行うにあたり運動負荷試験を実施する際に児童に強い負担をかけずに測定を行えるようプロトコールの検証を行った。その結果、児童の負担を考慮すると、座位安静5分間、歩行3分間(3km/h)、速歩3分間(4km/h)、走行3分間(6km/h)の多段階漸増運動負荷試験のプロトコールで実施することが望ましいことが認められた。一方、最後の走行後に走速度を増加させることは可能であるものの、疲労困憊にまで追い込むには至らないと判断した。 このプロトコールにより小学校児童を対象としたActiGraphの精度の検証を行う予定であり、消耗品であるActiGraphを購入して準備を行っていたが、現在、新型コロナウイルス感染症の影響により実験の実施が困難であり、小学校の通常授業再開後、安全確保に留意しながら実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題の研究代表者は、研究課題採択後の2019年4月1日より大阪教育大学附属天王寺小学校の校長を併任することになった。大学での業務軽減により、本研究課題の遂行に着手する予定であったが、附属小学校での様々な問題が思いのほか多く、エフォートを大幅に変更せざるを得ない状態となった。また、実験打ち合わせ等の時間を確保することが出来ず、当初予定していた8月の夏休みに測定を終え、データの分析を行うことが困難な状況となった。 しかしながら、本研究課題を遂行するために休み期間において、まず運動負荷試験を実施する際に児童に強い負荷をかけずに測定を行える様に、プロトコールの検討を行った。その際、児童を疲労困憊状態に近づけることによる最大下酸素摂取量の測定を検討していたが、結果として、安全面や児童に対する影響面から断念せざるを得ないことが認められた。 検討したプロトコールにより本格的に測定を実施するにあたり、3月の春休み期間に大阪教育大学の井上功一准教授の協力のもと、小学校児童を対象としたActiGraphの精度の検証を計画した。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、全国の小・中学校の春休みまでの休校措置、休校措置の延長、緊急事態宣言等の影響により、対象の確保が困難な状態であるだけでなく、実験を行うにあたってはマスクを口元に装着させる必要があるため、機材の消毒等を十分行ったとしても、新型コロナウイルス感染症ついてまだ十分な情報がなく、感染の可能性が否定できないうちに実験を実施することが難しく、断念せざるを得なかった。 以上より、2019年度に予定していた実験の完了および論文作成が完了できず、本研究課題の進捗状況として「遅れている」という状況になった。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度においては新型コロナウイルス感染症の影響によって実験の遂行が困難であったため、当初予定していた実験を2020年度に実施する。すなわち大阪教育大学の井上功一准教授の協力のもと、小学校児童を対象としたActiGraphの精度の検証を行う。しかしながら、現在新型コロナウイルス感染症の影響により通常授業が困難な状態であるため、実験を実施する際は通常授業が再開され、感染症の影響を考慮しつつ対象を募り実施する予定である。また、同時期に、小学校高学年児童を対象にActiGraphを用い、睡眠の質と日常の身体活動量の関係について検討する。対象は小学校高学年児童であり、附属小学校の副校長に研究依頼し、許可を得ている。測定はActiGraphを右腰部(日常時)および非利き手首(睡眠時)にベルトで装着させ、入浴時以外の24時間、2週間連続して測定する。睡眠調査は、就寝時「ベッドに入った時刻」、および起床時「ベッドから出た時刻」を1分単位で記入してもらい、就床時間を計算し、実際の睡眠時間の割合(睡眠効率)を算出する。また文部科学省新体力テスト実施要項に基づく体力測定8項目の実施により、睡眠・身体活動と体力との関係について、独自に作成した問診用紙による調査による睡眠・身体活動と日常の生活習慣との関係についても検討する。 2021年度では、2020年度に実施予定であった中学校生徒を対象としたActiGraphの精度の検証を行う。同時にActiGraphにより日常の身体活動量および睡眠状態を小学生児童と同様に24時間2週間連続測定する。また体力測定や問診調査の実施により、睡眠・身体活動と体力・生活習慣との関係についても検討する。 2020年度、2021年度の実験で得られたデータをもとに、それぞれ次年度に学会発表および論文作成を行い、結果を広く公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度においては小学校児童を対象としたActiGraphの精度の検証を行う予定で、消耗品であるActiGraphを購入し準備を行ったものの、予定していた3月の春休み期間中での実験実施が新型コロナウイルス感染症の影響により困難となり、通常授業再開後に実施することとなった。その際、消耗品等、何らかの支出が発生した場合に備え予算残金を維持していたが、2019年度には実験ができず、2020年度に繰り越すこととなった。次年度使用額となった繰越金については、消耗品等の購入に充てる予定である。
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