本研究は、ActiGraphを用いて児童および生徒の睡眠の質(睡眠効率)と身体活動量および体力との関係について検討することを目的とするものである。そのため、①日本の児童・生徒におけるActiGraphの精度の検証、②児童・生徒の睡眠と身体活動量との関係について検討することを試みるものである。本研究の実施期間は2019年からの3ヶ年であったが、新型コロナウイルス感染症等の影響により研究の遂行が困難であったことにより、予定したActiGraphの精度の検証実験においては検討を行ったのみである。 長年、新型尾kろなウイルス感染症の影響により実施できなかったが、2023年度には児童・生徒の睡眠と身体活動量との関係についての測定を実施した。その結果、対象児童の日常の身体活動量は低く,睡眠も健全な発育を促すうえで良い状況ではないことが認められた。また,身体活動量および睡眠状況ともに平日と休日との乖離が認められ,改善を促す必要性が示唆された。睡眠状況と身体活動量との関係について検討したところ,ベッド内時間ではなく実際の睡眠時間と中強度や中高強度の身体活動時間との間に有意な正の相関関係が認められ,日常の身体活動が睡眠の質に影響を及ぼすことが示唆された。 この研究成果は、大阪教育大学「第12回附属学校園教員と大学教員との研究交流会」において発表を行うとともに、大阪教育大学紀要第73巻に査読論文を投稿中である。また、中学校生徒における睡眠と身体活動量との関係については、大阪市立の中学校に協力いただき、2023年度中に測定を行い、現在結果について分析を行っている。この結果もまた、学会等で発表および論文投稿を実施する予定である。
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