研究課題/領域番号 |
19K11583
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 享 岩手医科大学, 医学部, 助教 (90582651)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ニホンザル / トレッドミル / 二足歩行 |
研究実績の概要 |
本研究計画の目的は、ニホンザルをもちいて大脳皮質における二足歩行の制御機序を明らかにすることである。初年度は研究のファーストステップとして、昨年申請者の所属する岩手医科大学に新しく移管された二頭のニホンザルを新しい実験室の環境に慣れさせるために順化訓練を開始した。一頭目のニホンザルは新しい実験室への順化が順調に進んでおり、二頭目のニホンザルも来年度までには新しい実験室への順化を終える予定である。それぞれニホンザルが新しい実験室への順化訓練を完了しだい、新しい実験室環境下でトレッドミル上を無拘束の状態で四足歩行と二足歩行を交互に行えるように歩行訓練を行う予定である。またニホンザルの順化訓練と並行して、四足歩行から二足歩行と二足歩行から四足歩行の歩行の転換過程におけるバイオメカニクス解析を行っている。過去の実験よりニホンザルがトレッドミル上を歩行運動を継続しながら四足と二足の歩行の転換を行う過程を高速ビデオカメラを用いて撮影しており、取得した動画をもとに画像解析ソフトを用いて詳細な解析を行っている。このような歩行運動を継続しながら四足歩行(体幹がほぼ水平の状態)から二足歩行(体幹がほぼ垂直の状態)へ姿勢を転換する過程を解析するような研究は世界に類をみない研究である。これまでの解析から、運動動作を継続しながらの四足歩行から二足歩行への円滑な移行には予測的な姿勢制御を行うことが示唆されるデータを得つつあり、姿勢制御の観点からも二足歩行の神経基盤を解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在飼育している二頭のニホンザルの歩行訓練を行う実験室への順化訓練を行っており、順調に訓練が進んでいる。二頭のニホンザルの現在の実験室への順化が完了次第、無拘束の状態でトレッドミル上を四足歩行と二足歩行を交互に行えるように歩行訓練を行う予定である。まだ順化訓練中であるためにやや遅れているとした。今後は二足歩行が可能なニホンザルをさらに増やし、ウィルス感染実験を試みたい。
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今後の研究の推進方策 |
今後は二頭のニホンザルの新しい実験室への順化訓練と歩行訓練を修了次第、ウィルス感染実験を行うことを予定している。またナショナルバイオリソースからニホンザル1頭を購入し同じく順化訓練がすみ次第同様に歩行訓練を行うことも予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はナショナルバイオリソースからニホンザルを購入予定だったが、現在の飼育状況等を鑑みて来年度以降の購入としたためニホンザルの購入費やモンキーチェアーなどの購入に計上していた金額が未使用となった。また、コロナウィルスの感染拡大防止措置のため第97回日本生理学会合同大会(別府)が紙上開催となったため計上していた旅費が未使用となった。
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