研究課題/領域番号 |
19K11589
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研究機関 | 大阪総合保育大学 |
研究代表者 |
清田 岳臣 大阪総合保育大学, 児童保育学部, 准教授 (40434956)
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研究分担者 |
藤原 勝夫 金沢学院大学, 人間健康学部, 教授 (60190089)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 姿勢制御 / 発達 / 体幹 / 上肢屈曲運動 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、立位での上肢屈曲運動時の体幹制御の発達過程における規定要因について明らかにすることである。そのために、以下の要因の影響について検討することとする;①上肢運動開始前の姿勢セット、②上肢運動の力学的要因、③行為条件、④運動(遊び)経験。今年度は、①について、下肢の制御が要求される通常の立位姿勢と体幹制御に焦点をあてた支持あり立位との違いから検討した。被験者は成人3名である。被験者は光刺激LEDに反応して、両側の上肢を任意の速度で前方水平位まで屈曲し、その位置を保持した。立位条件は、下肢の制御が要求される通常立位(Normal:N条件)と体幹制御に焦点をあてた支持あり立位(Support:S条件)である。S条件では、体重の20%(S20条件)または40%(S40条件)を支持台に乗せるよう指示した。上肢運動前の股関節角および圧中心位置が、安静立位時と同じになるように指示した。光刺激に反応して、各条件10回ずつ上肢屈曲運動を行った。三角筋(AD)の活動開始に対する脊柱起立筋(ES)および大腿二頭筋(BF)の活動開始時間の差を分析した。 結果として、N条件ではESとBFの活動開始時間が、それぞれ-34.6±6.7msと-19±15.8msであった。一方、S20条件では、ESとBFの活動開始時間が、それぞれ-32.3±5.2msと-33.7±15.4msであり、S40条件では、それぞれ-37.1±10.7msと-35.2±15.5msであった。S条件のほうがN条件よりもBFの先行活動が大きくなった。これは、成人では、N条件に比して、S条件では下肢の制御をほとんど必要とせず、体幹の調節に焦点を当てることになったことを示唆する。ESはもともと十分な先行活動が認められるため、変化が少なかったものと推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1年目の実施課題である「下肢の制御が要求される通常の立位姿勢と体幹制御に焦点をあてた支持あり立位との違い」について検討を行ってきた。 体幹重量を免荷して上肢運動を行うための器具開発に時間を要し、実験計画に遅れが生じた。完成した2019年末から予備実験を重ね、成人を対象とした測定を2020年2月から実施してきたが、COVID-19の影響で、被験者の確保が困難となり、実験計画を延長せざるを得なくなった。
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今後の研究の推進方策 |
大学での研究活動が許可され次第、迅速に実験を再開する。また協力園に依頼し、子どもの測定も実施する。2年目以降の測定も、測定環境が整い次第、実施する。
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