研究課題/領域番号 |
19K11592
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
森田 憲輝 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10382540)
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研究分担者 |
中島 寿宏 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (10611535)
石原 暢 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任助教 (10801631)
紙上 敬太 筑波大学, 教育推進部, 准教授 (20508254)
山本 理人 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80312429)
奥田 知靖 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (90531806)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 実行機能 / 認知機能 / 体力 / 子ども |
研究実績の概要 |
体力・認知機能・学業成績との関連性は「体力→認知機能→学習成果」として示すことができるが,①どの体力要素の向上がどの認知機能に影響するのか(体力の種類と認知機能の種類)は不明である.また,②運動による認知機能の向上が,学習成果にどのように影響するのかや,「認知機能→学習成果」間に媒介変数が存在するのか否かは不明である.本研究課題では,1,000 名規模の小中学生を対象とする縦断的研究によって,体力・認知機能を包括的に検討し,関連し合う体力要素の種類と認知機能サブドメインの種類を明らかにすることを目指す.さらに本研究課題では,対話者相互の対話量(聞き時間・話し時間)を客観的に評価できる「ビジネス顕微鏡(日立ハイテク社製)」を用いて子どもの授業への取り組みを客観的に評価することで,対話活動が学習成果の媒介変数となるのか,すなわち,体力→認知機能→授業への取り組み→学習成果という関連性が成り立つのかを明らかにする. 初年度である2019年度においては,研究に協力してくれる小学校3校,中学校1校での体力測定,運動習慣などの生活習慣等調査,認知機能測定を実施した.体力測定は新体力テスト8種目を実施した.運動習慣などの生活習慣等調査は,当研究グループがこれまでに使用してきた質問紙票と同一のものを使用し,9月末から10月末ごろで実施した.本年度の調査対象者数としては,小学生では3年生から6年生まで3校合計821名の体力測定および生活習慣等調査のための質問紙調査を実施した.また,中学2年生を対象として101名の体力測定を実施した.認知機能調査は,2020年2月に実施していた小学校1校が新型コロナウイルス感染症の流行に伴う休校措置のため実施できなくなったが,小学生および中学生の合計で621名の調査を実施した.今後はこれらの調査データを分析用データとして統合しデータ分析を行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3校の小学校のうち1校の調査が「新型コロナウイルス感染症の流行」によって2019年度中に完了することができなかった.このことは研究データの欠損になるため影響は小さいものではない.ただし,小学校2校では調査が完了しており,中学校でも調査ができたため,次年度にまずはその影響を吟味しつつ,その影響を最小限にできるかどうか推移を見守る予定である.
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今後の研究の推進方策 |
2020年度の学期開始である4月から5月末まで新型コロナウイルス感染症の流行拡大措置のための休校措置によって,体力測定および他の調査等がどこまで影響を受けるのか見極める必要がある.3年間にわたる縦断研究であるため,まずは可能な限りデータ欠損や規模の縮小が起こらないように学校側と調整し,調査・測定の実施を図る. また,前年度データの統合作業および分析を行い,成果発表ができるように準備を行う.ただ,成果発表についても現時点では今年度の学会大会の多くが中止や延期等の選択もなされているようであり,その対応を見極めて,他の手段も考慮しつつ研究を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
ひとつには分担研究者の異動があったため,手続きに遅れが出たことによる支出遅れがある.次に調査のための旅費が共同研究者間での人員調整ができたことで費用を抑えられたこと,2月に予定していた調査が新型コロナウイルス感染症対応によってできなくなったことでの延期もあり支出が削減された.加えて,購入予定のパソコンを未購入ということもあり,次年度使用額が発生している.
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