研究課題/領域番号 |
19K11596
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
井谷 惠子 京都教育大学, 教育学部, 名誉教授 (80291433)
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研究分担者 |
井谷 聡子 関西大学, 文学部, 准教授 (30768263)
関 めぐみ 甲南大学, 文学部, 講師 (20793045)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 体育カリキュラム / リテラシー / クイア / 包摂 |
研究実績の概要 |
本研究では,日本の体育カリキュラムの「公的な知」を問い,カリキュラム変革への示唆を得るために次の2項目について研究を進めている. 1 北米で進展している「身体・健康リテラシー」「クイア・ペダゴジー」を検討し,日本への適用の可能性を探る。 2 体育において周縁化される学習者に注目し、運動・スポーツ嫌い,及び性的マイリティの2つのフォーカスグループを対象に分析を行い,能動的に主体を変革するカリキュラムの方向性を探る。 1の「身体・健康リテラシー」に関して,2019年度に研究発表した内容に修正を加え,学会誌に投稿した.また,「クイア・ペダゴジー」について,先行研究等の学習会をオンラインで継続的に実施した. 2に関して,体育において周縁化される人々の経験 「運動・スポーツ嫌い」および「規範的でないセクシュアリティ」の2つのフォーカスグループ・インタビュー(FGI)を実施した.一次FGIでは,「運動・スポーツ嫌い」2グループ,「規範的でないセクシュアリティ」1グループで行った.2次では,「運動・スポーツ嫌い」を性別グループに分けて実施し,「規範的でないセクシュアリティ」グループでは,新たな参加者を加えたグループインタビューに加え,フォローアップインタビューを行った.いずれも,zoomによるオンラインインタビューを基本としたが,秘密の保持などオンラインで適切な場所を得られない場合には,別途会場を設定し,少数の対面形式とした. インタビュー内容については文字起こしを行い,参加者による「経験についての記述」とともに,質的研究分析ソフトMAXQDAを用いてコーディングを行い,研究者間で共通理解を得るところまで繰り返し修正を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1「身体・健康リテラシー」「クイア・ペダゴジー」についての先進的な体育カリキュラムの調査に関しては,計画に沿って調査を進め,研究成果を学会誌等に投稿した. 2「運動・スポーツ嫌い」および「規範的でないセクシュアリティ」の2つのFGIについて,COVID-19の感染拡大のために,主にオンラインでの実施としたが,一次,二次,フォローアップインタビューを実行することができた.また,得られたデータについての分析も順調に進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度(3年目)は最終年にあたるため,得られた資料の分析を進め,研究グループでの意見交換を集中的に行う.また,年度内に開催される学会での研究発表やラウンドテーブルなどの成果発表の機会を捉え,積極的に情報発信を行う予定である. また,継続的に行ってきた本研究プロジェクトの成果を小冊子にまとめ,研究成果を社会に広く還元できるようにする予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビューを対面からオンライン形式に変更したため,旅費が発生しなかった.次年度では,成果発表を積極的に行う予定であるので,参加費や印刷費などに充当する予定である.
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