研究最終年度は、新型コロナ感染症のために遅延していた「かけひきの動き測定尺度(攻防の動き測定尺度を名称変更)」の完成と、これまでの研究成果の発表および研究の総括を行った。 「かけひきの動き測定尺度」については、研究3年目までに予備調査及び本調査を終了していたが、本来ならば引き続いて行う計画であった尺度の信頼性(安定性)の検証ための追加調査が、感染症拡大の影響で実施することができなかった。そこで、感染症の状況が落ち着いたタイミングを見計らい、学生を対象にした調査を実施し分析を行った。その結果、柔道のかけひきは「組み手」「拍子」「間合い」「気配」の4つの攻防から成り立っていることが示され、4因子19項目からなる尺度が完成した。 その成果については、日本武道学会第55回大会(2022年9月4~5日、桐蔭横浜大学、有山ほか3名)において「柔道のかけひき動作測定尺度の構成」というタイトルで発表を行った。同時に、日本体育スポーツ健康学会の学会誌「体育学研究」に原著論文として「柔道のかけひきの概念構造に関する検討:動作測定尺度の構成を通して」を投稿し、2023年3月14日に受理され第68巻に掲載される予定である。 総括については、2023年2月に研究代表者、研究分担者1名及び研究協力者2名が集まり、研究初年度からの成果の報告を行うととともに、一連の研究の未達成な点や発展可能性について話し合った。その上で、本研究を基にした今後継続すべき研究課題を確認し、その研究構想の概要を検討した。
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