研究課題/領域番号 |
19K11599
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
山本 直史 愛媛大学, 社会共創学部, 准教授 (40552386)
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研究分担者 |
浅井 英典 愛媛大学, 社会共創学部, 教授 (50175824)
萩 裕美子 東海大学, 体育学部, 教授 (20237902)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 就労 / 体力 / 身体活動 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
本研究課題では,【仮説1】特定の仕事で必要される体力・身体活動水準が明らかになれば,自身の体力との対比から就労を躊躇しなくなる(就労が促進される),【仮説2】体力水準の低下を抑制することによって就労の期間が延長される(就労を中止しにくくなる)の2つの仮説を設定している.その上で,シルバー人材センターをフィールドとして,1)提供される種々の仕事を実施している者の体力・身体活動水準を明らかにする,2)体力に関する認知的アプローチによる就労促進の影響を検討する,3)体力と就労の中止との関連を縦断研究によって明らかにする,4)センターにおいて体力・身体活動促進介入を導入するための実現可能性について検討することを目的としている. 2019年度は,主に目的1)と4)に関連する内容を実施した.目的1)については,M市シルバー人材センターの会員に対して,3軸加速度計による仕事の時間帯を含めた1週間の身体活動測定,就労の非実施・中止との関連性が示唆されている膝伸展力を含めた体力測定,および生活習慣等の質問紙調査への協力を依頼し,現在までに232名のデータを取得した.目的4)に関しては,M市シルバー人材センター会員の運動教室やサークル(以下,運動グループ)に対するニーズを選択型コンジョイント分析を用いて明らかにするための質問紙調査を,全会員(2090名)に対して郵送法によって実施した.分析対象者は977名(有効回収率46.7%)であった.結果として,本研究で用いたグループの要素(指導者, 距離, 期待される効果, グループの特徴, および料金)はいずれも参加意思と関連する重要な要素であり,性や運動の有無によってその関連性の強さや関連する水準は異なることが示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は概ね当初の研究計画通りに目的1)と4)に関連するデータ収集,および解析を進めた.目的1)に関しては2年計画によって300~400人程度のデータ収集を目標としているが,その半数以上のデータを収集することができた.また,M市シルバー人材センター以外のセンターとの協力も得られ,目標とする対象者数分のデータ取得の見通しが立った.また,目的4)において,基礎となる情報が得られたことから,この情報を基に体力・身体活動促進介入の具体案を2020年度以降に検討可能になった.以上のことから,おおむね順調に進展していると評価した.
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は,目的1),3),4)について検討を行っていく.具体的に,目的1)2019年度に引き続きデータの収集を,対象センターを拡大しながら実施していく予定である.また,目的3)はM市シルバー人材センターの各種データの整理,およびそれらのデータの紐づけ作業を行う.また,目的4)はシルバー人材センター職員や会員とのフォーマティブリサーチを実施し,センターにおける体力・身体活動介入の具体案を検討する.なお,すべての検討は新型コロナウイルス感染症の状況を注視しながら,研究期間の延長も視野に入れつつ,慎重に進めていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大のために3月に予定していた測定会がキャンセルとなったため。来年度の測定会の経費として使用する。
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