研究課題/領域番号 |
19K11603
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 江戸川大学 |
研究代表者 |
野田 満 江戸川大学, 社会学部, 特任教授 (00636300)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | メンタルローテーション / 自己制御 / 身体運動 / 器用 / 不器用 / 空間変換 / 幼児 / 児童 |
研究成果の概要 |
本研究では、幼児期から児童期初期にかけての空間変換に関与する身体・運動面の働きを明らかにすることを目的とした。運動の捉え方についてはLuriaからRothbartやPosnerへと至る自己制御の働き、システム論の系譜に位置づけられるThelenの運動学的アプローチの仕方、PiagetやWernerの象徴論的な捉え方それぞれの知見と手法を用いた。傾いていく対象の状態の認識では、対象と自らが一体化する「なる」プロセスが想定された。身体を対象と同化させる上で、注意や抑制の制御が大きく関与し、日常の身体的動きが自然であることが、対象の空間変換を容易にする一方で、文化的バイアスの存在も見いだされた。
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自由記述の分野 |
空間認知発達
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の社会的意義は、子どもの認知過程に運動面が大きく関与していることを明らかにしたことにある。従来の多くの発達研究は、認知のあり方に焦点が当てられ、運動面がどのような影響を与えるのか明らかにされてこなかった。認知と運動における相互関連性という視点を広げたという意味で大きな役割を果たしたといえる。更に運動が注意や抑制といった自己制御機能と関与していて、それが、空間変換での身体利用と間接的に関連していることが捉えられたことも大きい。力学的な指標は今までの研究にはない側面をもたらし、対象変換する際の困難度と非線形の指標であるアトラクターとの対応から捉える頃が出来たのは世界ではじめてといえる。
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