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2019 年度 実施状況報告書

豊かな放課後に向けた地域参加型研究:測定値の見える化による主体的健康行動の実現

研究課題

研究課題/領域番号 19K11605
研究機関昭和薬科大学

研究代表者

吉永 真理  昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (20384018)

研究分担者 野井 真吾  日本体育大学, 体育学部, 教授 (00366436)
大西 宏治  富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (10324443)
鹿野 晶子  日本体育大学, 体育学部, 准教授 (10759690)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード放課後 / 児童館 / 放課後子供教室 / 職員のメンタルヘルス / 海外事例 / ドイツの学童保育
研究実績の概要

ドイツ・ケルンで行われたこどもにやさしいまちサミットに参加し、イスラエル、ポルトガル、イギリス、ペルーの放課後に関するヒヤリングを実施した(日本学校保健学会2019年11月実施で発表済み)。
調査対象地域の全児童館、全新BOPの職員に質問紙調査を行なった。主な質問項目は施設概要(来館者数、職員数等)、職員と子どもの関わり(宿題を教える、学校の先生・行政・地域の人との連携、開館時間の現状等)、子どもの様子(主な活動内容、過ごし方等)、施設外活動への評価、仕事内容への自己評価、放課後の理想像、WHO-5による心身健康度自己評価であった。それぞれ113名、83名の回答を得た(欠損値データを除去)。
1日あたりの最大来館小学生数は児童館が118人(20人)、新BOPは173人(18人)であった(職員一人あたり)。過ごし方については、「好きなように過ごしている」「楽しそう」「満足そう・さわやか」について「よくいる」という回答が最も多くなり、「リラックスして過ごす」「何もしないでのんびり」「役割の発揮」「活動について意見・提案する」は「時々いる」という回答が多かった。
放課後で最も重要な事柄は児童館も新BOPも「子どもが思い切り体を動かして遊んだり活動したりできる機会や場所」で、児童館は「外でおもいきり自由に遊べる機会や場所」、新BOPは「ひとりひとりに目が届くだけの十分な人数の職員がいる施設」が二番目となり、現状の課題がうかがえる結果となった。
職員の専門性に関しては、放課後支援専門員保有者はメンタルヘルスが悪い結果となった(WHO-5抑うつ傾向あり38.3%)。2015年に開始した新しい資格であり、より充実した研修等や他職種連携によるサポートが必要なことが示された(こども環境学会2020年長野大会7月で発表予定)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1)ドイツ・ケルンで行われたこどもにやさしいまちサミットに参加で自治体職員・首長のインタビューを行なった。会議での日本から参加した中高生等のコーディネートがあり、また参加した職員・首長もスケジュールが多忙だったため、インタビューにはあまり時間を割けなかったが、いイスラエル、ポルトガル、イギリス、ペルーの放課後に関するヒヤリングを実施した。また会議前に調査をしたデユッセルドルフでは放課後の子供達の居場所や活動に関する調査を実施することができた。
2)児童館調査については依頼先の児童課での実施時期の調整に時間がかかり、数ヶ月後ろ倒しになったが、調査は年度内に実施することができた。
しかし、今般の新型コロナ感染症拡大防止の観点から、今後の研究計画については大きく変更することが必要だと思われる。
新年度の調査の計画についての話し合いも未実施な状態である。オンライン会議等も活用し、可能な限り拡大防止に配慮しながら研究計画を進めていきたい。

今後の研究の推進方策

1)保護者と子供を対象とした質問紙調査
2019年度に実施した職員アンケートの結果を返却する際に館に説明し、参加者へのアプローチ方法を相談する。質問紙調査は児童と保護者を紐づけて、環境とその評価を尋ねる。職員への調査結果と比較検討する。スタッフに学年や性別等に配慮しながら、できるかぎりランダムに選んでもらい実施する。予定調査者は欠損データの出現を考え、児童館ごとに100組を予定している。主な調査内容:保護者に、施設についての評価、放課後の過ごし方について尋ねる。施設についての評価については児童にも依頼する(保護者に質問紙を配布し、児童分の記載を依頼する方法)。世田谷区内では100%学校内での実施が行われているが、実態把握と現状についての主観的評価から課題を明らかにする。さらに改善についての意見を把握し、多様性のある活動プログラム提案につながる要件を明らかにする。
2)対象児童館を2館定めて、測定実験を実施する。延長保育実施館と一般の間を選定する。プレパーク(きぬたま遊び村を含む)近くの館を選択する。主な測定:活動計を用いた活動量、GPSを用いた行動軌跡、生活時間、気分、メラトニン代謝である。唾液メラトニン濃度測定は9:30pmと6:30amの2時間帯に、各家庭で唾液サンプル採取器(Salivette®,Sarstedt Ltd., Nümbrecht, Germany)により採取。測定は1日(2回)。唾液メラトニン濃度の分析は、分担研究者の野井(日本体育大学)が担当し、ELISA 法によって実施予定だが、新型コロナ感染症拡大防止の観点から十分にj配慮した実施が必要にいなると思われる。

次年度使用額が生じた理由

年度内に購入予定のパソコンが1月以降の新型コロナ感染症にかかわる科研費以外の活動で時間をとられ、機械の選定等ができず、購入できなかったため、未使用額が生じた。
2020年度は調査時期を後ろにずれせながら実施の方向性を探る予定である。その中で、未使用額と合わせて機器の購入等進めて、年度内に計画を実施できるようにする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [学会発表] 放課後の子どもの居場所の実態調査:今後の活動展開の可能性についての職員の考えに着目して2020

    • 著者名/発表者名
      吉永真理、大西宏治、鹿野晶子、野井真吾
    • 学会等名
      こども環境学会
  • [学会発表] 子どもにやさしいまち(Child Friendly City Initiative: CFCI)の枠組みから見た「豊かな放課後のあり方」に関する検証2019

    • 著者名/発表者名
      吉永真理
    • 学会等名
      第66回日本学校保健学会学術大会
  • [学会・シンポジウム開催] Child Friendly City Summit2019

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公開日: 2021-01-27  

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