研究課題/領域番号 |
19K11606
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
木村 憲 東京電機大学, 工学部, 准教授 (60408648)
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研究分担者 |
水村 真由美 (久埜真由美) お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (60292801)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 有酸素運動 / 認知機能 |
研究実績の概要 |
走・歩などの有酸素運動よりもダンスなどの運動技術の学習が必要な有酸素運動において認知機能(記憶、実行機能)への効果が高いことが示唆されている。運動学習の認知機能への効果について科学的妥当性を得るためには、運動強度・量を統一して運動課題を操作した運動介入デザインを適用する必要がある。そこで、本研究は運動強度・量の精確な制御が可能なエアロビックダンスを運動課題として応用する。学習すべきダンス課題(運動課題)の複雑性を段階的に操作した運動介入(3ヶ月間)を実施し、認知機能への効果を解明することを目的とした。 エアロビックダンスのような運動複雑性を有する有酸素運動の運動学習が認知機能(記憶、実行機能)に積極的な効果があることを運動介入デザイン(無作為化比較試験)により検証する。そして、運動課題の複雑性と認知機能改善効果の因果関係を実証にする。本研究計画は3年間である。3年間で最大126名を対象に運動介入デザイン(無作為化比較試験)を適用する。平成31年度は、運動課題の複雑性を加味したダンスプログラム作成(担当:研究分担者、協力者)と第1期運動介入(42名)を実施する。実験協力者42名を、ダンス運動群(14名)、有酸素運動群(14名)、統制群(日常生活、14名)の3群に無作為分割し、3ヶ月間の運動介入効果の傾向を確認する(担当:研究代表者)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に準じて9月-12月の期間に運動介入試験を実施することができた。大学生を実験協力者として公募した結果、30名の対象学生が実験協力者として参加した。当初計画では最大42名を予定していたもののそれには及ばなかった。一方、予定通り3群の無作為化対照比較試験の第1期運動介入実験を遂行することができた。介入実験のための運動教室を開催し、3群のうち2群は運動教室への1回30分、週3回、計12週(3ヶ月)の参加協力を依頼した。そのうちデータ採用条件を満たした協力者は30名中25名であった。以上のことから、今年度は運動介入実験のための運動プログラムの作成ならびに安全と倫理面を配慮した運動教室の開催を実現することができた。しかしながら、当初の目標人数(最大42名)には及ばなかった。したがって、次年度は研究協力者の公募について配慮しつつ、継続して第2期運動介入の実施を計画する。現状としては、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、実験協力者をさらに募集し第2期運動介入を継続して実施する。期間は昨年度と同様9月-12月を予定する。しかしながら、新型コロナ感染予防の観点から社会的状況や大学施設の利用状況を鑑みながら、適宜研究計画の微修正をしながら柔軟に対応できるように準備を進める。例えば、施設利用が当面認可されない場合には遠隔による運動教室の開催も視野に入れながら準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予算計画に対して減額があったため実験協力者の人数削減(謝金削減)がなされた。また、動作解析ソフトが比較的安価な価格により購入できたことにより残金が生じた。この次年度使用額は、実験協力者の参加を増やす目的で人件費として補填される予定である。
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