研究課題/領域番号 |
19K11608
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
塩田 琴美 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 准教授 (50453486)
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研究分担者 |
徳井 亜加根 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 学院(研究所併任), 義肢装具士 (30627683)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 発達障害 / 視線行動 / 立体認知 |
研究実績の概要 |
発達障害の児童・生徒は、動作時に「ぎこちない」、「不器用」とも表現されやすく、教育現場においても発達障害の診断を受けた児童・生徒の姿勢や体の動きが課題にあげられることが多い。海外の研究において、発達障害者が特有の眼球運動を示すことも明らかになってきており、発達障害者の動作時における問題は身体の機能的な問題だけでなく、動作や立体認知が入力される視覚情報処理の段階で、健常者と異なる捉え方をしているのではないかと考えた。そのため、本研究課題では、静的場面、動作場面および立体認知の3つの条件での視線行動について分析をし、発達障害者と健常者における視線行動の違いについて明らかにする。 2020年度においては、COVID-19感染拡大下で予定をしていた研究計画での実験が困難であったことから、車椅子ユーザーの障害児1名に対し開発したプログラムを用いた予備実験を行った。本研究で開発したプログラムでは、赤外線深度カメラを利用しカメラにより影像された人物領域を検出した上で、測定がスタートする設定であった。しかし、車椅子ユーザーにおいては、車椅子を自動認識してしまうことや、斜視がある児童にとっては測定中に表示されるボールの認識が難しい点などが課題にあがった。COVID-19 感染予防対策として活動制限が求められる中、障害児が在宅で運動を行うことが難しい現状において、本研究の測定で用いるプログラムは、市販のゲーム機にアプリを入れることで、在宅でもトレーニングとして取り組むことが可能である。基礎疾患を抱え感染リスクも高い障害児においては、今後も在宅中心の生活が長期化することが想定される。そのため、在宅で知覚・認知機能を含めた身体のトレーニングも行えるようなプログラム開発は急務であると考えられる。次年度以降は、予備実験で抽出された課題面の改善をし、本実験を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の対象は、基礎疾患等を抱える障害者も含む可能性があることやその周囲に対する影響も考え、COVID19 感染拡大下においては感染防止を優先した。そのため、当初予定していた教育現場においての測定の実施が難しく、計画通りに実験を進めることが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、予備実験で得られた課題を修正し、実験に必要なプログラムについて再構成を行う。また、COVID19 感染の収束状況により、協力機関での測定が可能になった時点で、本実験を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19感染拡大下で、当初の計画よりも遅滞をしており、測定で用いるプログラム開発についてもさらなる検討を加え修正していく必要があるため、次年度に予算の使用を計画している。
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