研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は,運動に対する動機づけを相互作用的視点から検討することであった.1年目から2年目にかけては,運動中の動機づけが相互作用する様相を測定するため,運動後の自己報告と自由記述のデータを継時的に収集し,測定の枠組みを完成させた.3年目は,運動中に測定した運動に対する満足度の下方への変化が見られた実験参加者に対して,個別に権限付与的な指導の介入を実施し,運動に対する満足度の向上を試みた.介入の結果,参加者全員の満足度を向上させることに成功した.
体育心理学
本研究成果の学術的意義は,質問紙法により因果関係で説明してきた過去の動機づけ研究とは異なり,実験法を組み込むことによって相互作用の様相が明らかにされたことであった.このことは,比較的安定した特性的な概念と考えられていた動機づけの変化の要因が運動中の環境との相互作用にあることを意味している.