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2019 年度 実施状況報告書

小学校体育授業におけるネット型ゲーム教材の発達段階による系統性モデルの提案

研究課題

研究課題/領域番号 19K11625
研究機関順天堂大学

研究代表者

荻原 朋子  順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (50365566)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードネット型ゲーム / 小学校体育授業 / 発達段階 / 系統性モデル / 学習成果 / ゲームパフォーマンス
研究実績の概要

小学校学習指導要領におけるネット型ゲームの技能の内容は、ボール操作とボールを持たないときの動きによる易しいゲームや、チームによる攻撃と守備による簡易化されたゲームをすることとなっている。しかし、このような内容が示されたとはいえ、各々の発達段階に応じた学習内容や教材を特定していくことは容易ではない。したがって、本研究では、小学校体育授業におけるネット型ゲームにおいて、特に連携プレイ型ゲームに着目し、その教材、教具、学習成果について明らかにし、各学年の発達段階に適したネット型ゲーム教材の系統性モデルを提示することを目的とした。
上記目的に照らし、2020年度は、①これまでのネット型ゲーム教材の文献調査、及び②小学校低学年におけるネット型ゲーム教材の開発を試みた。
①学習指導要領においてボール運動がゴール型、ネット型、ベースボール型の3つ表記となった平成22年以降を対象に、学術誌(体育学研究、体育科教育学研究、教科教育学研究、スポーツ教育学研究)および、民間雑誌(体育科教育/大修館書店)や文部科学省の指導資料に掲載されている連携プレイ型のネット型ゲーム教材を対象学年ごとに整理した(松永、2020)。その際、コートやネットなどの用具やルールおよび、学習成果について検討した。
②小学校2年生を対象としたネット型ゲームへつながる「フロアヒットボール」を開発し、その検証実践を試みた(喜多原、2020)。2020年9月~10月に千葉県内A小学校において、ボールゲーム単元で8時間の授業を行い、ボール操作及びボールを持たない時の動きの観点から評価したゲームパフォーマンスがどのように変化するのか検証した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年度は、これまでのネット型ゲーム教材の文献調査を行い、連携プレイ型のネット型ゲーム教材を対象学年ごと、コートやネットなどの用具やルールおよび、学習成果にしたがって整理することができた。また、当初予定していなかった低学年のネット型ゲーム教材の開発及び検証を行うことができた。その意味では順調に研究は進んでいると考えられる。その結果については、今年度の学会等で発表予定である。
しかしながら、低学年の教材では習得が難しいゲームパフォーマンスも見られ、教材のルールや教具等により工夫が求められることが明らかになった。低学年でのネット型ゲーム教材を中学年以降のネット型ゲームにつなげていくためには、低学年でのさらなる教材開発や、必要となる技能や戦術といったゲームパフォーマンスも合わせて再検討することが課題としてあげられる。

今後の研究の推進方策

2020年度はこれまでのネット型ゲームの文献調査を整理し、ネット型ゲームのスタートでもある低学年における教材開発を行うことができた。ゲーム分析のために、映像分析ソフト及びPCを購入し、分析作業の効率化を図ってきた。これらの分析環境を維持しながら、今後は中学年を対象としたネット型ゲーム単元を実施し、検証データを蓄積する。
教材は、これまでに提案されている「フロアボール」、「プレルボール」、「キャッチバレー」などの単元を想定し、検証授業の積み重ねをしていくことが必要である。そして、各学年において必要となる技能や戦術を明らかにしていくことが今年度の課題となる。
コロナ禍において、介入検証授業がどの程度、可能になるか不透明な部分が多い。しかしながら、対象校の承諾が得られれば、可能な範囲で検証データの収集をしていくこととする。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Validity and Reliability of a Volleyball Common Content Knowledge Test for Japanese Physical Education Preservice Teachers2019

    • 著者名/発表者名
      Emi Tsuda, Phllip Ward, Satoshi Yoshino, Tomoko Ogiwara, Yaohui He, Yuji Ohnishi
    • 雑誌名

      International Journal of Sport and Health Science

      巻: 17 ページ: 178-185

    • DOI

      https://doi.org/10.5432/ijshs.201916

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 保健体育教員養成過程における学修成果の検討―保健体育教員を目指す学生の学修期間と教職に就く意欲に着目してー2019

    • 著者名/発表者名
      長登健、荻原朋子、中嶽誠、工藤康宏、中西唯公、渡邉貴裕、長岡知、牛尾直行、神原直幸
    • 雑誌名

      順天堂スポーツ健康科学研究

      巻: 10 ページ: 11-20

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ネット型ゲームで主体的・対話的で深い学びをどう表現するか2019

    • 著者名/発表者名
      荻原朋子
    • 雑誌名

      体育科教育

      巻: 67 ページ: 16-19

  • [雑誌論文] ネット型3つの魅力2019

    • 著者名/発表者名
      荻原朋子
    • 雑誌名

      楽しい体育の授業

      巻: 8 ページ: 4

  • [雑誌論文] 体育における(科学的な)知識を身に付けるための学習指導―素朴概念の修正と仲間学習(Peer teaching)―2019

    • 著者名/発表者名
      荻原朋子
    • 雑誌名

      初等教育資料

      巻: 12 ページ: 71-73

  • [学会発表] A Study of Off-the-ball movements in “Floor Kick Ball” for a 2nd Grade Elementary School Physical Education Class2019

    • 著者名/発表者名
      Risako Murai, Tomoko Ogiwara
    • 学会等名
      AIESEP 2019, Adelphi University, New York.
    • 国際学会
  • [学会発表] 小学校5年生におけるボールを持っていない人のサポートの動きに重点をおいたゴール型サッカー教材の検討2019

    • 著者名/発表者名
      山崎太一、荻原朋子、村井梨沙子
    • 学会等名
      第70回日本体育学会(慶應大学)
  • [学会発表] 日本体育学会体育科教育学専門領域シンポジウム「共生」の視点を踏まえたこれからの体育の授業づくり2019

    • 著者名/発表者名
      技能差問題を解決する仲間学習(Peer teaching)モデルの可能性
    • 学会等名
      第70回日本体育学会シンポジスト(慶應大学)
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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