• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

小学校体育授業におけるネット型ゲーム教材の発達段階による系統性モデルの提案

研究課題

研究課題/領域番号 19K11625
研究機関順天堂大学

研究代表者

荻原 朋子  順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (50365566)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードネット型ゲーム / 小学校体育授業 / 発達段階 / 系統性モデル / ゲームパフォーマンス / 学習成果
研究実績の概要

小学校学習指導要領におけるネット型ゲームの技能の内容は、ボール操作とボールを持たないときの動きによる易しいゲームや、チームによる攻撃と守備による簡易化されたゲームをすることとなっている。しかし、このような内容が示されたとはいえ、各々の発達段階に応じた学習内容や教材を特定していくことは容易ではない。したがって、本研究では、小学校体育授業におけるネット型ゲームにおいて、特に連携プレイ型ゲームに着目し、その教材、教具、学習成果について明らかにし、各学年の発達段階に適したネット型ゲーム教材の系統性モデルを提示することを目的とした。
上記目的に照らし、2021年度は、小学校高学年におけるネット型ゲーム教材の開発を試みた。小学校6年生を対象としたセカンドキャッチバレーを導入した単元を実施した。加えて、小学校5年生を対象としたアタックプレルボールを導入した単元も実施した。
2021年5月から6月に千葉県内A小学校において、ボール運動単元で10時間の授業を行い、ボール操作及びボールを持たない時の動きの観点から評価したゲームパフォーマンスがどのように変化するのか検証した。加えて、コートやネットなどの用具、ルールの適切性について、ゲームパフォーマンスや児童の授業への満足度を測る形成的授業評価などの学習成果から検討した。これらについては、2022年6月に開催されるAIESEP国際会議にてオンラインポスター発表を行う予定である。また、2022年1月から2月に千葉県内A小学校5年生を対象とした8時間の授業を実施した。小学校5年を対象とした単元について、現在分析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2021年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大予防のため、まん延防止等重点措置が取られていたが、学校長の判断により児童との接触がないように配慮しながら介入授業を実施することができた。小学校6年生を対象としたソフトバレーボールのルールに近いセカンドキャッチバレーと、小学校5年生を対象としたプレルボールを基にしたアタックプレルボールという異なる形態の2つの教材を実施できたことは本研究課題を遂行するにあたり、有意義であったと言える。
一方で、2020年度に実施できなかった中学年を対象としたプレルボールやキャッチバレーボール等のネット型ゲームの実践等も継続してデータ収集を行い、併せて検討する必要があると考えられる。

今後の研究の推進方策

2021年度は小学校高学年児童を対象としたセカンドキャッチバレー及びアタックプレルボールにおけるゲームパフォーマンスのデータを収集することができた。そのうち、セカンドキャッチバレー単元についてはそのゲームパフォーマンスの変化や児童の授業への満足度を測る形成的授業評価などの学習成果から検討することができた。
今後は、高学年を対象としたアタックプレルボールの分析を進めるとともに、2021年度に実施したセッターキャッチバレー単元の分析結果を学会で発表することとする。また、時間的に余裕がある場合は、継続して中学年での連携プレイ型のネット型ゲームであるプレルボールやフロアボールといった教材を介入授業として実施し、他学年の介入授業と比較検討したいと考える。
さらに、最終年度となるため、これまで収集したデータ全体を取りまとめ、連携プレイ型のネット型ゲームの系統性モデルとして示すことができるように研究を進めたい。

次年度使用額が生じた理由

2021年度予定していた検証授業が実施できたが、対面での学会開催がなく旅費が大きく減額となった。そのため、2021年度では、昨年度実施できなかった2つの検証授業を実施し、分析作業の人件費、謝金やそれらに必要な物品費に充てたため、差額が生じた。
差額については、本年度実施される予定の学会大会の参加費や旅費として充てたいと考えている。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 小学校体育授業における「フロアキックボール」教材の学習成果の検討:児童のボールを蹴る・止める技能に着目して.2021

    • 著者名/発表者名
      村井梨沙子、荻原朋子
    • 雑誌名

      体育科教育学研究

      巻: 37 ページ: 17-33

    • DOI

      10.11243/jsppe.37.1_17

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 校の教育活動全体を通じて取り組む体育・健康に関する指導2021

    • 著者名/発表者名
      荻原朋子
    • 雑誌名

      中等教育資料

      巻: 1018 ページ: 10-15

  • [学会発表] Differences Between the U.S. and Japan in Elementary Physical Education Classes.: Motor learning Perspectives.2021

    • 著者名/発表者名
      Risako Murai, Aoba Matsunaga, Mindy Lorimor, Tomoko Ogiwara, Kanae Haneishi
    • 学会等名
      International Association for Physical Education in Higher Education Scientific Conference.
    • 国際学会
  • [学会発表] 小学校高学年児童のネット型単元におけるICT活用の検討―体育授業中の話し合い場面に着目して―2021

    • 著者名/発表者名
      松永青葉、荻原朋子
    • 学会等名
      日本スポーツ教育学会
  • [学会発表] 中学校における協同学習モデルを適用した体育授業の検討-短距離走・リレー単元を対象にして-2021

    • 著者名/発表者名
      鷹觜郷護、荻原朋子
    • 学会等名
      日本スポーツ教育学会
  • [学会発表] 小学校体育授業担当者についての研究-特に、専科教員、教科担任が受け持つことに関する「期待」と「懸念」に焦点化して-2021

    • 著者名/発表者名
      細越淳二、佐々木浩、荻原朋子、須甲理生、真木良輔
    • 学会等名
      日本スポーツ教育学会
  • [図書] 体育科教育学入門 三訂版2021

    • 著者名/発表者名
      岡出美則、友添秀則、岩田靖
    • 総ページ数
      305
    • 出版者
      大修館書店
    • ISBN
      9784469269116
  • [図書] 中学校・高等学校体育科教育法2021

    • 著者名/発表者名
      白旗 和也、岡出 美則、今関 豊一
    • 総ページ数
      176
    • 出版者
      建帛社
    • ISBN
      9784767921181
  • [図書] 体育科教育学研究ハンドブック2021

    • 著者名/発表者名
      日本体育科教育学会
    • 総ページ数
      148
    • 出版者
      大修館書店
    • ISBN
      9784469269123
  • [図書] 中等音楽科教育,中等美術科教育,中等家庭科教育,中学技術分野教育,中等保健体育科教育,高校情報科教育,中等総合的な学習/探究の時間2021

    • 著者名/発表者名
      宮崎 明世, 岩田 昌太郎
    • 総ページ数
      241
    • 出版者
      協同出版
    • ISBN
      9784319003624

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi