研究課題/領域番号 |
19K11629
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研究機関 | 名古屋学院大学 |
研究代表者 |
中野 貴博 名古屋学院大学, スポーツ健康学部, 教授 (50422209)
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研究分担者 |
春日 晃章 岐阜大学, 教育学部, 教授 (30343726)
小栗 和雄 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (10387516)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 子ども / 体力 / 学力 / 意欲 |
研究実績の概要 |
2019年度においては,まず,これまでの関連調査の再分析を進めた.再分析では,特に体力・運動能力,身体活動と学力,家庭環境を中心に検討を行った.加えて,身体活動と家庭環境を検討できる実践的活動の場を設定することができたため,パイロット的に調査,実践を行い,本研究課題におけるメインの調査内容決定のための検討材料とした.これらの成果は,2019年度の日本体育学会,発育発達学会(新型コロナウィルスの影響で2020年5月にweb発表に変更),American College of Sports Medicineにて学会発表を行った.さらに,文献研究を進めて,本研究課題で実施する調査の素案の検討を進めた.文献研究では,当初計画に加えて,学校連結性やスクリーンタイム,ソーシャルサポートに関する項目を追加すべき検討を進めた.特に,スクリーンタイムは諸外国では,多くの指針が示されている現状が確認され,本研究でも可能な範囲で検討を追加する予定である. 次に調査の準備状況であるが,調査内容に関しては前述の通り領域と項目の検討を進めている.これらの検討に関しては,調査協力を依頼予定の行政担当者および教育現場の先生にも随時,確認いただきながら準備を進めている.また,これらの協力者とは子どもの体力向上に関する検討会議を継続的に開催しており,調査内容の周知,実施等に関しては円滑に進んでいるものと考えている.今後は,これらの窓口を拡大し,少しでも多くの調査データが得られるように,さらなる関係の強化と調査準備を進めていきたいと考えている. 学会発表等に関しては,前述の3つの学会での発表を行った.また,2020年度は,9月の横浜スポーツ会議および10月のEuropean College of Sports Scienceにエントリー予定である.また,発育発達研究に論文投稿の準備を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年度末に調査内容の概ねの完成とパイロット的な調査実施を計画していたが,新型コロナウィルスの影響で教育現場を対象とした調査や関係者との調整が思うように進められなかったため.
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今後の研究の推進方策 |
2020年度のできるだけ早い段階で調査内容を確定する.調査対象に関しては,既に打診がすんでいるが再度確認を行い,内容に関しても了承を得る.同時に所属大学における倫理委員会にて倫理承認を得る.秋頃を目処に調査を実施する.完了後は速やかにデータ入力を専門業者に依頼し,分析計画を立てる.分析に関しては,体力・運動能力,身体活動,生活習慣,学力,意欲・関心,協調性等,家庭環境などの領域ごとの合成得点を算出し,相関関係,因果構造,循環構造,影響の順序性に関して順次,検討を進める.分析手法においても.最新の多変量解析やデータマイニング手法を用いて探索的な検討も導入することで,仮説のみにとらわれない結果の抽出を試みていく. 成果の公表に関しては,年度前半はこれまでに関連研究で得たデータを用いた発表を行っていく.具体的には,横浜スポーツ会議やEuropean College of Sports Scienceでの発表を計画している.さらに,年度後半では日本発育発達学会において発表をする予定である.あわせて,年度前半には,これまでに得た関連データを用いた研究論文を発育発達研究に投稿する. 2020年度後半は,最終年度である2021年度に向けて分析作業を加速させる.2021年度には分析結果を用いて今後の運動促進において考慮すべき関連要因の指針をまとめたいと考えているため,諸要因との関連を整理し,一つの因果構造モデルとしてまとめれるような仮説構造の設計を目指す.可能であれば,2021年度にむけて新たな投稿論文の執筆を開始する.投稿先は体育学研究を予定する. 2020年度は新型コロナウィルスの影響で計画通りの研究進行に不安はあるが,可能な限り円滑に遂行し,最終年度に少しでも良い研究成果まとめられるようにしていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響で調査の実施が遅れたこと. また,2月3月に参加を予定していた学会が同理由により開催が延期もしくは中止になったことによる. 2020年度の調査実施の費用に利用する.可能な限り学会参加および発表を充実して,そちらの経費に利用する.
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