| 研究課題/領域番号 |
19K11640
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| 研究機関 | 山口大学 |
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研究代表者 |
山口 奈津 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40450671)
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| 研究分担者 |
佐伯 一成 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (60634756)
田邉 剛 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80260678)
中上 裕有樹 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30843304)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 非B非C型肝癌 / 細胞外小胞 |
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| 研究実績の概要 |
肝炎ウイルスを発症の要因としない非Ｂ非Ｃ型肝癌は、肝癌の約３割を占める。糖尿病を主とした生活習慣病がリスク要因である可能性が示されているが、成因不明のためハイリスク群の同定方法が確立していない。本研究では、肝癌識別能が高く、かつ侵襲性の低い早期診断マーカーを開発するため、血中細胞外小胞において肝癌特異的に高発現するタンパク質を明らかにすることを目的としている。
血液からの細胞外小胞の分離はスタンダードとなる方法がいまだ確立していないが、研究協力者が開発した新たな調整法は、細胞外小胞を凝集させずに分離することにより、従来法よりもはるかに正確なEVのデータを得ることができる。この調整法を参考に、これまでに肝癌由来細胞株（HepG2）や対照として用いる細胞株（OUMS-36等）の培養上清を用いた細胞外小胞精製の条件検討を行ってきたが、HepG2細胞はHepatoblastoma由来である可能性が高いことが判明したため、新たに他のHepatocellular carcinoma由来の肝癌由来細胞株としてHuh-7を用いて細胞外小胞精製の条件検討を進めている。
一方、臨床検体を用いた解析では、リスク要因である糖尿病症例を対照として、肝癌症例について血中細胞外小胞の解析を行う予定としており、これらの臨床検体は既に入手している。これに加えて、2020年度末より糖尿病罹患者を含むコホートの研究に携わる機会を得た。非癌非糖尿病症例と糖尿病症例を比較できる血液検体を入手しておくことは、糖尿病を対照症例とする本研究において肝癌症例の血中細胞外小胞に特異的に発現するタンパク質を明らかにする上で重要であることから、現在、当該コホート研究の検体収集に全面的に参画している。検体処理、管理、各種検査依頼までの一連のプロセスの立ち上げおよび実施業務を１年半にわたり行っているところである。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究に有用な検体を入手するため、2020年度末より他のコホート研究の検体収集に全面的に参画している。2021年度は検体収集に関連する業務が増えたため、細胞レベルの解析に遅れが生じている。
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| 今後の研究の推進方策 |
2020年度末より携わっているコホートの研究の検体収集は、2022年度後半に終了する予定である。これと平行して、細胞レベルの解析も進めていく。肝癌由来細胞株、ヒト正常細胞株（不死化線維芽細胞等）、ヒトiPS細胞由来肝細胞の培養上清から細胞外小胞を調整し、発現タンパク質について質量分析法により肝癌由来細胞株で高発現するタンパク質を明らかにする。また、他癌細胞株、非癌細胞株の培養上清から調製した細胞外小胞における候補タンパク質の発現をイムノブロット法により解析し、肝癌細胞の培養上清から得られた細胞外小胞と比較することにより、肝癌で特異的に発現する分子かどうかを確認する。このようにして同定した候補タンパク質の肝癌識別能について、臨床検体を用いた検証を行う。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
2020年度末より他のコホート研究の検体収集に全面的に参画しており、これに関連する業務が増えたため、細胞レベルの解析に遅れが生じた。今年度行う予定だった実験を次年度に行うため、次年度使用が生じた。
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