トロンビン受容体PAR1欠損マウスは野生型マウスに比べて、雌雄ともに体重増加が抑制されるが、体内埋込式運動計測装置を用いて自発活動量を解析すると、野生型マウスとPAR1欠損マウスの間に有意な差は認められなかった。体重に差がある高齢期(50週齢)におけるインスリン感受性は、雌雄ともに、野生型マウスよりもPAR1欠損マウスが高いことが示された。一方、若齢期(8週齢)のマウスに高脂肪食を16週間負荷すると、野生型マウスもPAR1欠損マウスも、肥満を呈するとともにインスリン抵抗性が惹起された。PAR1は加齢に伴う糖代謝障害に特異的に影響を及ぼし得ると考えられた。
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