本研究により出生前後のマウス肝臓ではDNAメチル化が劇的に変化することが明らかとなった。また出生前後の肝臓の代謝機能の成熟にDNAメチル化の変化が重要であることが明らかとなり、その制御因子として複数の代謝に関連する転写因子が同定された。母体高血糖は出生仔の肝臓でのDNAメチル化、ヌクレオソームアセンブリなどクロマチン構造に関わるGOtermに属する遺伝子群の有意な発現変化を生じ、母体高血糖が出生前後の肝臓のDNAメチル化形成に影響する可能性が示唆された。本研究により出生児の将来的な生活習慣病発症のリスクの評価や治療標的としてDNAメチル化とその制御因子が有用な因子となりうることが示唆された。
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