研究課題
本研究は、胎生期から乳幼児期に至る栄養などの様々な要因が将来の生活習慣病発症リスクに影響を与えるというDOHaD概念に基づき、以下を明らかにすることを目的とする。(1)母子健康手帳データを用いて妊娠中の体重増加量軌跡パターンを低出生体重のリスク要因ごとに検討する。(2)出生時から幼児期の体格が若年成人期の体格・体組成にどのように関わっているか検討する。(3)妊娠前(若年成人)女性における、正常体重肥満者へ、予防的な生活・食習慣改善法の確立を目指す。2022年度までに595名の調査が完了し、以下の結果を得ている。(1)出生体重と乳児期運動発達との関連を検討した結果、出生体重が与えるその後の体格への影響は1歳ごろまで続いていた。また、妊娠中の体重増加不足であることや生後11か月時点で人工や混合栄養であることが、6~7か月時点で「おすわりするをする」割合の低下と関連していた。(2)体脂肪率や骨格筋量に与えるの生活習慣、食習慣の関連因子の検討を行った結果、体脂肪率では、現在の食品群別摂取量との関連がみられたが、食習慣・生活習慣との関連はみられなかった。一方、骨格筋量では、現在の食品群別摂取量との関連はみられず、過去や現在の運動習慣が関連していた。(3)出生体重と若年成人時のうつ病発症との関連を検討した結果、本研究対象者のうつ症状有病率は36.0%であった。うつ症状の有無と関連のみられた項目を調整したロジスティック回帰分析の結果、うつ症状と出生体重との間に有意な関連はみられなかった。(4)出生体重と若年成人時の体組成との関連について検討した結果、2変量間の解析においては、除脂肪量高群と脂肪量高群はそれぞれ低群に比べて有意に出生体重が大きかった。しかし、この関連は現在の身長などの関連因子を調整した重回帰分析においては関連がみられなかった。
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