加齢により、代謝異常や免疫能低下などの老化関連疾患が罹患しやすくなるが、糖質コルチコイド(Glucocorticoid: GC)の過剰分泌によって起こる病態と共通している。そこで、老化進行におけるGCの関与を明らかにするため、加齢によるGC産生系の変化について検討した。その結果、(1)高齢の雄マウスの副腎皮質において、GC分泌は、本来低く抑制される時間帯にも過剰に分泌され、日内変動が消失すること、(2)老化細胞除去薬は、副腎に蓄積した老化細胞の除去とともに、GCレベルを改善すること、(3)副腎皮質に蓄積した老化細胞から分泌されるIL1βがGCの過剰分泌を引き起こすことを発見した。
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