心不全は徐々に機能が低下していく経過の長い疾患である。そのため薬物療法に加え、日々の食事が悪化予防に重要であるが、心不全に適した食事に関する情報はほとんどない。 高脂質食は脂質代謝を再活性化させ、エネルギー産生量を増加させるが、一方で脂質の質が心血管イベントに影響を与えることが報告されている。今回の研究では脂質の質に注目し高脂質食の心臓への影響をマウスモデルで検討した。高動物性脂質食で心不全が進行したのに対して、高植物性脂質食では心不全の発症進展を防いだ。さらに、植物性脂質に高含量のステアリン酸が重要であることも明らかとした。今後はこれらの知見をもとに、臨床応用を目指す。
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