食物繊維(DF)と生活習慣病治療薬の相互作用について、薬効発現の過程に係る遊離型薬物量および小腸での薬物透過に対するDFの影響に着目し検討した。その結果、混合するDFの種類と混合時の液性が遊離薬物量に影響することを明らかにした。糖尿病治療薬のビグアナイド薬とDFのアルギン酸ナトリウムの混合では、水中で遊離薬物量が減少することおよび小腸上皮細胞の特徴を有するCaco-2細胞膜の薬物輸送量が減少することを明らかにした。薬物の1回服用量と健康食品等での摂取量を考慮すると、医薬品を服用する人がDFを多く含む健康食品等を同時に摂取した場合「薬とDFの相互作用」に注意する必要があることが示唆される。
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