研究課題/領域番号 |
19K11682
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
森 晃爾 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (50230066)
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研究分担者 |
藤野 善久 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (80352326)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | プレゼンティーイズム / 労働生産性 / 産業保健 |
研究実績の概要 |
症状等によって本来発揮されるべきパフォーマンスが低下している状態であるプレゼンティーイズムは、労働者の健康に関わる損失の大きな部分を占める。その評価方法として、様々なツールが開発され、生産性損失の評価やプログラムの有効性評価に用いられている。しかし、高リスク者のスクリーニングに利用した上で事後措置介入を実施した場合の有効性については検証されてない。そこで、プレゼンティーイズム評価においては高リスク者であるが健康診断では高リスク者ではない対象に、予め用意された介入を実施し、前後比較および非介入群との比較によって、プレゼンティーイズムの高リスク者介入の有効性を検証することを目的とした研究である。 初年度は、倫理審査を終えた上で、特定業務従事者健診の受診者にWFunおよびQQMethodによる測定を行った。その結果をもとに、一般健康診断では低リスク、プレゼンティーイズムでは高度機能障害が認められる受診者を対象に面接を行い、抱えている健康上の課題を具体的に聞き取った。その結果、介入すべき課題として、腰痛と睡眠が挙げられた。また、介入対象として適当と考えられるWFunのカットオフを考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
倫理審査を終え、実際にプレゼンティーイズム調査が行われたが、介入の対象が予想以上に少ないことが分かったため、研究計画の見直しの必要性が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
一般健康診断場面で実際にプレゼンティーイズム評価を行い、健康診断で低リスク者であり、一方で高度機能障害が認められる対象者に対して面接を行い、対象者を選定して、症状を絞って介入を行う。前年度の事前調査の結果、腰痛および睡眠障害に対する介入を計画している。。 具体的には、想定される課題に対する個別の介入プログラムを確定し、測定結果を参考に介入プロコールを策定し、介入実施者として予定されている研究者および研究協力者に対する教育を行う。また、一般定期健康診断の際にプレゼンティーイズムの測定、その他の評価指標の測定を行い、介入事業場において介入を行う。 また、対象集団における健診高リスクと高度機能障害の発生の相関関係についても明らかにする
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次年度使用額が生じた理由 |
プレゼンティーイズム測定などの経費は、介入対象企業の経費として運用されたため。また、打ち合わせをWeb会議で行うなどして、経費を節約したため。差分については、2年目以降の介入プログラムに必要な費用として利用する予定である。
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