本研究は、糖尿病合併症の主要因である血管障害に関連する複数のマーカー分子(マルチマーカー)を臨床現場で同時に分析可能な方法を開発し、合併症予見への活用を目指した。分析には金ナノ粒子標識抗体を活用した電気化学的免疫測定(GLEIA)を採用した。この測定法は、安価で使い捨て可能なセンサーチップと手のひらサイズの検出器を用いる点が特徴である。測定対象として糖尿病合併症早期マーカー・プロレニンと血管障害マーカー・カルボキシメチルリジンに着目し、GLEIA構築を試みた。モデル分析物に対し高い再現性でGLEIAデータを取得できる条件を特定したのち、上記マーカーに対し検量線獲得のための条件を見いだした。
|